1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
中国大連市における総合的交通システムの計画手法の確立とその設計方法に関する研究
Project/Area Number |
62045024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Overseas Scientific Survey.
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | University-to-University Cooperative Research |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
網干 寿夫 広島大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魏 〓瑞 大連市, 都市計画局長
〓 宗趺 大連工学院, 助教授
唐 〓文 大連工学院, 助教授
洪 承礼 大連工学院, 教授
金 同稷 大連工学院, 院長
杉恵 頼寧 広島大学, 工学部, 助教授 (70034410)
門田 博知 広島大学, 工学部, 教授 (10034323)
吉国 洋 広島大学, 工学部, 教授 (90034339)
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Project Period (FY) |
1987 – 1989
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Research Abstract |
中国の中核都市において,高速公共輸送機関(新交通システム,地下鉄道)を含めた総合的交通システムの計画手法を大連市を対象として確立する. さらに,その妥当性を構造設計,特に土質工学的側面から検討し,計画システムの中に反映させる. 大連市の市区人口は現在約140万人で,中国第二の貿易港を有し, 近年の経済発展は目覚ましいものがある. 中央政府の経済解放政策によって同市北方30kmの所に経済技術開発区および新港が設けられ,その発展はさらに加速されるものと思われる. 最近の急速な人口の増加と郊外への市街化の進展がそのことを裏付けている. それがまた交通問題に拍車をかけ, 長期的展望に立った対策が強く迫られている. 大連市の交通問題の特色の一つは,市区に旧港が隣接しているため, 貨物車の通過交通が1日中市内の交通を渋滞させていることである. 今後は北部の経済技術開発区と都心部間の交通も増大すると考られ,高速交通施設の導入が重要な検討課題になるであろう. 1984年には交通計画策定の基礎資料を得るためパーソントリップ調査が行われ,市区居住者の動きはかなり正確につかまえられたが,貨物車の動きについては調査がまだ不完全である. 中国側との相談の結果,1988年始めには必要な補足調査を中国側が行い,将来交通量の予測方法について今後共同で検討する予定である. 土木構造設計の方は,大連市街地や旧港と新港及び経済技術開発区の間の交通施設計画を考える際に基礎となる大連市周辺の地質・土質の状況について調査した. 当地域は一般には極めて古い地層で,プレカンブリア紀の硬質の堆積岩であり,一部表層に洪積層の氷河堆積物が残っている. 従って,土質基礎の立場では問題となるような軟弱地盤は殆ど存在しない. 今後計画される主要路線は,新港と旧市街地の間にある和尚島をはさんで,その両側の湾を横断するショートカットのルートが考えられるが,その周辺海域の海底は殆んど硬岩である. その上部の埋め立て地は軟弱で,何らかの対策が必要であろう. ルートそのものについては将来交通量の予測後,全体計画の中で改めて検討する予定である. 中国側の研究分担者は,そのために必要な資料を日本の各地で収集した.
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