Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
セン H クァック シンガポール大学, 医学部, 助教授
ヨー C チャン シンガポール大学, 医学部, 助教授
リー H ベン シンガポール大学, 医学部, 教授
エドワード P C トク シンガポール大学, 医学部, 教授
楊井 正紀 長崎大学, 医学部, 講師 (90128231)
市丸 道人 長崎大学, 医学部, 教授 (50039525)
長瀧 重信 長崎大学, 医学部, 教授 (70010311)
珠玖 洋 長崎大学, 医学部, 教授 (80154194)
竹本 泰一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60010005)
宮本 勉 長崎大学, 医学部, 教授 (10004582)
|
Research Abstract |
予て研究協力関係にある長崎大学医学部とシンガポール国立大学医学部との間で,両国間に共通的な疾患,とりわけ癌およびウィルス感染性疾患を取り上げ,それらの研究データの交換,検討,共同研究を行うことを目的とする. このことによって,地理的にも近い東南アジアと日本との疾病概念の異同や,診断,治療ないし予防に対する実態を把握解析することができる. (1)肝疾患と成人T細胞白血病に関連した研究として, 長崎県下の五島列島と本土沿岸諸島間のHBVおよびHTLVーIマーカーの陽性率で, 後者に明らかな差異がみられたのは, 環境条件にもとづく影響差によるものであること(竹本),本学における過去22年間の肝硬変症, 肝癌剖検数は, 両者とも全国の平均比率より有意に高く, またHBsーAgキャリア陽性率は肝癌のみ<萎縮性肝硬変=萎縮性肝硬変+肝癌の頻度であったこと(土山),ATLの診断には抗ATL抗体の検出のほか, 強い家族性素因のある例では, クロモゾームの面からの検討も有用なこと(市丸),肝細胞癌の新しい治療法として^<131>Iーlipiodolの動脈注入法は, 手技が単純で非浸襲性, 副作用の少ない点など, 手術や動脈栓塞術を受けられない症例に有用なこと(長瀧),進行した原発性肝癌に対するEpirubicinの使用は, 臨床的に明らかな効果をあげ得たこと(Tan),などが示された. (2)AIDSに関連した研究として, 新しいEIAキットおよびSerodaーHIVゼラチン凝集法は, 何れも簡便かつ抗HIV抗体のスクリーニングに有用なこと, また日本人血友病患者, 同性愛患者のHIVキャリアは, 推定で各1,500人前後とみられること(宮本),本学小児科の血友病患児11名(血液製剤使用)中2例はHIV抗体陽性, 1例はAIDS関連病変を示したこと(楊井),などが報告された. (3)癌に関するその他の研究として, 癌マーカーであるrasおよびmyc gene産物の抗体作製とその胃癌組織に対する応用の有効性(珠玖),ヒトβーinterferonがαーのそれよりも毒性に乏しいこと(Tan),アジアにおける各種癌発現の民族的特性ー中国, インド, 日本, マレーシア人の比較に関する検討(Lee),急性白血病小児に対する骨髄移植の臨床的成績(Han),また長期間の癌化学療法や血液製剤の注入可能な植え込み式中心静脈アクセス法の有効性(Tan)などの研究報告と討論が行われた.
|