核融合プラズマ輸送理論における新手法開発のための研究

1987 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62050022
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 羽鳥 尹承 名古屋大学, プラズマ研究所, 助教授 (80023729)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西川 恭治 広島大学, 理学部物性, 教授 (40025309) ; 川崎 恭治 九州大学, 理学部物理, 教授 (40037164) ; 三間 圀興 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (30033921) ; 吉沢 徴 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60011649) ; 若谷 誠宏 京都大学, ヘリオトロン研究センター, 教授 (00109357)
• Keywords: MHD・セルオートマトン / 異常輸送 / 乱流アルファダイナモ / 自己構造形成 / 非局所熱伝導 / 混合距離理論 / スケール不変性 / RFP

Research Abstract

主な研究成果の概要は以下のようである.
1.プラズマにおける乱流やカオスの現象とそれに伴う異常輸送
1)異常輸送係数に対する諸理論の相互比較を行い有益な知見を得た. 散逸性交換型モード及びリップリングモードに対し, 混合距離理論,スケール不変性を利用した手法,及びくり込み乱流理論の三種の方法を適用し, 輸送係数のパラメーター依存性が一致することを示した.
2)RFPに適用できるMHD乱流ダイナモモデルを開発した. 有名なテイラーのベッセル関数モデルは簡単な原理で本質をついたものとして評価できるが, プラズマ境界で電流がゼロにならないことと, 有限圧力勾配を持たないことなどの欠点を持つ. ここでは乱流統計理論に基いて新しいアルファダイナモ効果を導くことに成功し, これにより上記二つの欠点を解消した.
2.プラズマ分岐現象とそれに伴う構造形成の解明
静電的モードによる乱流の自己構造形成状態としての層状の流れが出現することを示し, シミュレーションとの良い一致を示した. これは粒子閉じ込めの対流損失を軽減する効果があり, 興味ある点である.
3.MHD系に対するセル・オートマトンモデルの開発
MHD・セルオートマトンのアルゴリズム開発を進展させた. 従来までの2D・MHD・セルオートマトンでは線状の「MHD粒子」を使用したが, それを拡張し, 有限長で四つのパラメーターを持つ環状粒子を考え, てい減MHDのアルゴリズムを開発し, さらに完全三次元モデルも開発中である.
4.その他の基礎研究
磁力線に沿う方向の高エネルギー電子による非局所熱伝導を進展させ, 計算機コードを作成した. 実際にそのコードを使って, レーザー生成プラズマの解析を行った.

Research Products

• [Publications] 羽鳥尹承: 核融合研究. 58. 433-447 (1987)
• [Publications] 羽鳥尹承: プラズマ研便り. 5. (1988)
• [Publications] T.Hatori: Prog.theor.Phys.78. 249-267 (1987)
• [Publications] T.Hatori: Complex Systems. 1. 734-751 (1987)
• [Publications] A.Hasegawa: Phys.Rev.Lett.59. 1581- (1987)
• [Publications] M.Yagi: J.Phys.Soc.Jpn.57. 117- (1988)
• [Publications] Y.Kishimoto: J.Phys.Soc.Jpn. (1988)
• [Publications] Y.Kihara: ILE,Osaka Univ.Report,ILEーQPR. 87ー21. 47- (1987)
• [Publications] A.Yoshizawa: Phys.of Fluids. 31. (1988)
• [Publications] A.Yoshizawa: Phys.of Fluids. (1988)
• [Publications] A.Yoshizawa: Phys.of Fluids. 30. 1089-1095 (1987)
• [Publications] T.Hatori: Proc.USーJapan Workshop on Plasma and Fluid Turbulence. (1987)
• [Publications] H.Mori: Proc.USーJapan Workshop on Plasma and Fluid Turbulence. (1987)
• [Publications] M.Suzuki: J.Phys.Soc.Jpn.57. (1988)
• [Publications] Y.Kuramoto: Proc.Int.Conf.on Spatial Inhomogenieties and Transient Behavior in Chemical Kinetics. (1987)
• [Publications] K.Kawasaki: Proc.19ーth Yamada Conf.on Ordering and Organization. (1987)