1989 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性ペプチドの多角的かつ系統的検索とそれらが作動する未知の生体機序の解明
Project/Area Number |
62060002
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
松尾 壽之 国立循環器病センター研究所, 所長 (50028685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寒川 賢治 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00112417)
中山 建男 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (60031712)
五十嵐 正雄 群馬大学, 医学部, 教授 (90008219)
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Keywords | 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP) / 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP) / インヒビン / アクチビン / 生理活性ペプチド / プロセシング酵素 / KEX2プロテアーゼ |
Research Abstract |
未知の生理活性ペプチドの検索とそれらが作動する生体機序の解明を目指し、本年度は下記の成果を得た。 1)Na利尿ペプチド・ファミリー研究:昨年度、われわれは、ブタ脳および心房中にANPと異なる新しいNa利尿ペプチド(BNP)が存在することを報告した。本年度、ブタBNPのcDNAプローブを用いて、ヒトおよびラットBNP各前駆体をコードするcDNAのクローニングおよびそれらの塩基配列を決定した。これらの結果に基づき、ANP-BNPファミリーがヒトやラットにも広く存在することを証明し、血圧および体液容量調節がANP-BNP系により、神経系ならびに内分泌系を通して制御される可能性を示した。またBNPのアミノ酸配列には、動物種差が著しくANPと極めて対照的であり、またBNP-mRNAの3′ー非翻訳領域にみられるAT-richシーケンスの存在は、BNPの発現調節がANPのそれと異なることを示している。 2)生殖内分泌におけるインヒビンおよびアクチビンの役割:今年度は主にそれらの局所作用について検討した結果、アクチビンは卵巣に直接作用し、FSH、LHの作用を増強するとともに、卵に対しても、その成熟を促進することを明らかにした。一方、インヒビンの卵巣における直接作用はほとんど認められず、両ホルモンの相違が明らかになった。 3)ペプチド性ホルモンのプロセシング酵素の研究:昨年度構造決定したKEX2遺伝子を酵母に導入して得られたKEX2プロテアーゼは、Lys-Arg、Arg-Arg、Pro-Argに極めて特異的で、α因子やキラートキシンのプロセシングに直接関与していると考えられた。ホ乳類プロセシング酵素研究のため、プロアルブミンーアルブミン変換をモデル系としてラット肝ゴルジ画分を検索した結果、酵母KEX2プロテアーゼと類似した酵素の存在が示唆されたため、現在その精製を実施している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Kojima,et al.: "Cloning and sequence analysis of cDNA encoding a precursor for rat brain natriuretic peptide" Biochem.Biophys.Res.Commun.159. 1420-1426 (1989)
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[Publications] T.Sudoh,et al.: "Cloning and sequence analysis for cDNA encoding a precursor for human brain natriuretic peptide" Biochem.Biophys.Res.Commun.159. 1427-1434 (1989)
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[Publications] K.Mizuno,et al.: "Characterization of KEX2-endopeptidase from yeast Saccharomyces cerevisiae" Biochem.Biophys.Res.Commun.159. 305-311 (1989)
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[Publications] K.Mizuno,et al.: "A unique membrane-bound,calcium-dependent endopeptidase with specificity toward paired basic residues in rat liver Golgi fractions" Biochem.Biophys.Res.Commun.164. 780-787 (1989)
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[Publications] Y.Hasegawa,et al.: "Changes in serum concentrations of immunoreactive inhibin during oestrous cycle of rat" J.Endocrinol.121. 91-100 (1989)
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[Publications] M.Itoh,et al.: "Activin A stimulates meiotic maturation of the rat oocytes in vitro" Biochem.Biophys.Res.Commun.166. 1479-1484 (1990)