1988 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格の分子構築と機能〜細胞生物学的および分子生物学的研究
Project/Area Number |
62065007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣川 信隆 東京大学, 医学部解剖学教室, 教授 (20010085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 玲子 沖中記念成人病研究所, 研究員 (50171674)
塩村 洋子 東京大学, 医学部解剖学教室, 助手 (00136962)
久永 真市 東京大学, 医学部解剖学教室, 助手 (20181092)
依藤 宏 東京大学, 医学部解剖学教室, 講師 (00158544)
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Keywords | 細胞骨格 / 神経細胞 / 分子構築と動態 / 微小管 / ニューロフィラメントアクチン / 微小管関連蛋白 / シナプス |
Research Abstract |
神経細胞細胞骨格の分子構築、動態、機能を急速凍結電顕法、生化学、免疫細胞化学、微量注入法、分子生物学を用いて明らかにした。分子構築については、神経細胞内物質輸送のモーターであるキネシン分子の構造を重鎖及び軽鎖に対する単クローン抗体の修飾法により明らかとした。重鎖の一部よりなる二つの頭部に微小管結合部位があり中央の杆状部分をはさんでハケ状の他端に軽鎖がありここが膜小器官と結合する全長80mmの分子である事を明らかとした。シナプス前部及び後部の細胞骨格構造及び膜、シナプス小胞との関連特にシナプシン1の分子構造と局在及び伝達物質放出過程におけるシナプシン1とアクチンの機能を明らかとした。軸索伸長時期に発現される新しい205KD微小管関連蛋白をモノクローン抗体法により同定した。主な微小管関連蛋白の一つであるタウ蛋白の分子構造、cDNAの一次構造を明らかとしcDNAをタウを発現しない線維芽細胞に強制導入すると線維芽細胞にタウに対する抗体で染まる微小管の太い束が発現される事、又このcDNAを用いてin situ hybridizationを行うと神経軸索が伸長する時期に一致してタウのmRNAが強く発現されこの時期に微小管の束が神経突起内にできる事を明らかとしタウ蛋白がin vivo で微小管を形成し、束をつくり神経突起伸長の構造的基礎をつくる事を明らかとした。細胞骨格の動態について、微小管関連蛋白2(MAP2)に標識をつけ初代培養の神経細胞に微量注入し電顕で解析した。その結果MAP2が樹状突起、軸索のいずれにも入って行く事、しかし樹状突起に比べ軸索ではターンオーバーが非常に速く、軸索の微小管との結合性が弱い事が分かった。この事が樹状突起に特異的にMAP2が存在する原因の一つである事を解明した。ニューロフィラメントの分子構築、特にリン酸化脱リン酸化によるH蛋白の架橋構造形成能に対する制御機構について明らかとした。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 廣川信隆: Journal of Neuroscience. 8. 2769-2779 (1988)
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[Publications] 廣川信隆: Journal of cell Biology,. 107. 1449-1461 (1988)
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[Publications] 久永真市: Journal of Molecular Biology. 202. 297-306 (1988)
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[Publications] Journal of cell Biology,. 107. 651-664 (1988)
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[Publications] 廣川信隆: Neuroscience Research.6. 269-275 (1988)
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[Publications] 廣川信隆: Journal of cell Biology. 108. 111-126 (1989)
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[Publications] 廣川信隆: cell. (1989)
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[Publications] 久永真市: Cell Motility and Cytoskeleton. (1989)
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[Publications] Proc.Natl Acad Sci.(1989)
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[Publications] 金井克光: Journal of Cell Biology. (1989)
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[Publications] 廣川信隆: "神経科学レビュー2" 医学書院, 51-95 (1988)