1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62065010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中西 重忠 京都大学, 医学部, 教授 (20089105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 博晶 京都大学, 医学部, 助教授 (20094089)
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Keywords | 遺伝子工学 / レニン・アンジオテンシン系 / カリクレイン / キニン系 / タキキニン系 / 受容体とイオン・チャンネル / 電気生理学 / ツメガエル / 卵母細胞発現系 / RNAスプライシング |
Research Abstract |
本研究の目的は、血管作動性ペプチド、アンジオテンシン系、キニン系及びタキキニン系を研究対象に、1.血管作動性ペプチドの遺伝子発現レベルにおける調節、2.血管作動性ペプチドの受容体レベルにおける調節、3.個体レベルにおける調節を明らかにし、血管作動性ペプチドによる生体の恒常性維持とその異常の分子機構を追求する事である。 昭和63年度は、それぞれの研究課題を順調に進展させ、血管作動性ペプチドの機能発現と調節に関し多くの新しい知見を得た。本年度の成果の中で主たるものを述べると、 1.二種類のラットキニノーゲン遺伝子(T及びK遺伝子)及び両者のキメラ遺伝子を動物細胞に移入する事によって、T遺伝子は完全なスプライシングが働く事によって一種類のmRNAを、K遺伝子はスプライシングが抑制される事によって二種類のmRNAを生成する事を示した。 2.ラットアンジオテンシノーゲン及びレニン遺伝子を導入したトランスジェニック・マウスを用い血圧上昇の機構を解析した。 3.ツメガエル卵母細胞発現系と電気生理学的方法論を組み合わせた新しいクローニング法を開発する事によって、牛サブスタンスK受容体をクローン化し、その構造と機能を明らかにしてきたが、本cDNAを用いヒト受容体遺伝子を分離し、遺伝子構成を明らかにすると共に、本受容体の機能発現に重要と思われる極めて構造が保存されている部位を明らかにした。 4.上記クローニング法を発展させる事によって、K^+イオンに選択的な透過性を示す膜蛋白をクローン化し、本蛋白は130個のアミノ酸からなり、一個の膜通過部位を有する従来のイオンチャンネルとは全く異なる新しい膜蛋白である事を明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kakizuka,A.,et al.: J.Biol.Chem.263. 3884-3892 (1988)
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[Publications] Nakanishi,S.,et al.: Kinins V. (1988)
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[Publications] Nakanishi,S.: "Progress in Endocrinology 1988"Excerpta Medica International Congress Series. 799. 25-33 (1988)
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[Publications] Kitamura,N.,et al.: Methods in Enzymology. 163. 230-240 (1988)
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[Publications] Masu,Y.,et al.: Regulatory peptides. 22. 9-12 (1988)
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[Publications] Takumi,T.,et al.: Science. 242. 1042-1045 (1988)
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[Publications] 中西重忠 他: ""医学のあゆみ"臨床と解剖セミナー103" 医歯薬出版, 223-230 (1988)
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[Publications] 佐藤昌康編: "ブレインサイエンスI" 朝倉書店, 2-11 (1989)