1987 Fiscal Year Annual Research Report
有機炭素資源高度利用のための高選択的有機合成反応の開発
Project/Area Number |
62101001
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 春吉 東北大学, 名誉教授 (60010758)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 真二 大阪大学, 工学部, 教授 (00029050)
鈴木 章 北海道大学, 工学部, 教授 (40001185)
諸岡 良彦 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70016731)
伊藤 嘉彦 京都大学, 工学部, 教授 (40026018)
野依 良治 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022554)
|
Keywords | 不斉水素化触媒 / 軸不斉ビナフチル / 軸不斉アルドール反応 / 発酵パン酵母 / フルオロピリジン / 亜鉛カルベノイド / アクリロニトリル / コバルトカルボニル |
Research Abstract |
1.不斉合成研究では, 高エナンチオ選択的水素化触媒BINAP-Ruジアセタート錯体により代表的モルヒネ人工誘導体の不斉合成法を確立し, 光学活性アルコール, アミンの不斉誘導化剤軸不斉2-メトキシー1, 1'-ビナフチルー2'-ジカルボン酸を開発し, 金不斉フェロセニルホスフィン錯体触媒によりα-イソシアノカルボン酸エステルとアルデヒドの高選択的不斉アルドール反応を開拓し, β-シロキシアセタールのアリル化で高選択的1, 3-不斉誘導を実現でき, メチルフェニルスルホキシド, p-トリルスルフィニルアセトンの光学分割法を開発し, 発酵パン酵母によるα-クロローα, β-不飽和エステル, クロロオキソエステルなどの不斉還元で良好な結果を得た. 2.反応試剤研究では, フッ化水素-ピリジン中ジアゾ化, 脱ジアゾフッ素化法により, アミノピリジン類からフルオロピリジン類の高選択的合成法を開発し, トリクロロトリフルオロエタンからの亜鉛カルベノイド試薬により有用な合成反応を開拓し, オキサゾリン環をもつリン酸化合物がアルコールの良好なリン酸化剤となることを見出し, 光学活性高次合成試薬γ-クロローβ-ヒドロキシスルホンを開発し光学活性体合成に利用した. 3.触媒反応研究では, Mn(II)-MgO触媒によりアセトニトリルとメタノールから選択率90%, 転化率50%でアクリロニトリルの合成に成功し, メタクリロニトリルからクロトノニトリルへの選択的骨格異性化触媒を見出し, コバルトカルボニル触媒, 一酸化炭素, ヒドロシランによる多数のエステル, ラクトンの新規炭素鎖延長反応を検討し, 反応を総括すると共にこの反応の適用限界を明らかにした.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] S.Miyano: Chem.Lett. 355-356 (1987)
-
[Publications] R.Noyori: J.Am.Chem.Soc.109. 5856-5858 (1987)
-
[Publications] Y.Ito: Tetrahedron Lett.28. 6215-6218 (1987)
-
[Publications] H.Kurokawa: Chem.Lett.1019-1020 (1987)
-
[Publications] N.Yoneda: Chem.Lett.1675-1678 (1987)
-
[Publications] S.Murai: J.Molecular Catal.41. 197-207 (1987)