1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62101005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
庄野 達哉 京都大学, 工学部, 教授 (80025858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇根山 健二 岡山大学, 工学部, 教授 (00033150)
清水 祥一 名古屋大学, 農学部, 教授 (00025842)
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
児玉 徹 東京大学, 農学部, 教授 (30011901)
石津 敦 東京大学, 農学部, 教授 (40014922)
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Keywords | 電極反応 / リグニン / プロトカテキュ酸 / 不斉合成 / デヒドロアビエチン酸 / 細胞融合 / デヒドロジバニリン |
Research Abstract |
資源問題の見地から毎年再生産される植物系芳香族炭素資源の高度利用を目的として研究を行い, 以下の成果を得た. 1.リグニンの有効利用 (1)リグニンを資化できる好アルカリ性の好気性バクテリアを単離しジグノールの分解機構を明らかにした. さらに, 本菌を用いムギ稈のリグニンを水溶化し酸沈澱で回収できる水溶性リグニンの調整に成功した. また, Pseudomonas putidaがフェルラ酸を資化しうることを見い出し, これを変異処理することによって, フェルラ酸からプロトカテキン酸を蓄積する変異株を得た. (2)工業リグニンの中で量的に最も重要なチオリグニンのオゾン化による変化, および, 得られたオゾン化チオリグニンの重金属の捕捉能を検討した. また, 配糖化リグニンがアルカリに可溶なこと, さらに可溶化した糖化リグニンのラジカルスルフオン化を行い, 酸性水溶液にも可溶化できることを見い出した. (3)広葉樹, 針葉樹, 草本を原料にする8種のリグニンの電解を行い, 生成物を詳細に検討するとともに電流密度と通電量との関係を明らかにした. その結果, 最適通電量が存在し, 電流密度の影響が極めて大きいことが見い出された. 2.フラン誘導体の有効利用 フラン誘導体のメタノール中での電極酸化により得られる1, 4-ヅトメトキジヒドロフラン誘導体を鍵中間体として利用してフラン環のβ位ヘアルキル基を導入させることに成功した. また, シリルフランの電極酸化反応を利用したブテノライド合成法を開発した. さらに, 環状アセタール類のエナンチオ選択的開裂反応を利用したプロキラルジオールの不斉誘導反応を行った. 3.植物中に含まれる樹脂および精油の有効利用 d-リモネンおよびα-ピネンから電極酸化を利用して1-カルボンへの変換を試みた. また, 松葉の成分検索を行った.
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