1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62110007
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
成田 一 大阪大学, 言語文化部, 助教授 (90093442)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅田 英一郎 IBM東京基礎研究所, 自然言語処理部, 副主任
村田 忠男 九州工業大学, 工学部, 助教授 (80071653)
影山 太郎 関西学院大学, 文学部, 教授 (80068288)
|
Keywords | 機械翻訳 / 前処理 / 言語処理 / 制限文法 / 規格化 / 優先解釈 |
Research Abstract |
機械翻訳における構造解析能力の向上を目標とする場合, これを達成する方策としては, (1)翻訳システムの前段における言語処理(前処理:前編集)と(2)翻訳システム中核部における構造解析規則の改善があるが, 両者は独立のものではなく相互に依存関係にある. これまで前処理というと, 翻訳システムの解析規則が処理しやすい形に原文を加工することで, それも同義語の使用を制限するとか, 修飾関係が決定しやすい配列に変えたり, 複文を単文に改めるなど, 対象構造を制限する制限文法であったが, これは自然言語の特性に基づかない恣意的な制限となっている. 構造解析能力を向上させて恣意的言語制限を排除し, しかも自然言語の特性を反映する形で前処理システムを構築し, 最終的には前処理作業を自動化する. このような方向で機械翻訳システムを設計することが本研究の目標であった. 61年度の科研費課題研究「機械翻訳前処理自動化のための基礎研究」においては, 翻訳システムの前段に「構造還元変換」部と後段に「談話構造変換」部を設け, さらに「規格化処理」部の設定の必要も指摘し, 従来の雑然とした形態操作から構成される前処理を制限する目的で, 可能な前処理の基準も提案した. 本年62年度の研究では, 「規格化処理」を自然言語自体の構造表示機能を反映したものに限定する方向を, 構造ならびに音韻情報を中心に探った. また制限文法の基本的な問題点と限界を原理的に指摘し, これを回避するために, 機械による構造解析のための(優先解釈規則などを備える)新しい言語処理システムの導入を試みた. 63年度の研究では, 特に機械による言語処理の適切な遂行に不可欠な辞書情報の研究に重点を置き, 言語処理規則の充実の基礎とする予定である.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 成田一: 第4回大阪大学知識科学研究会報告資料. 20-42 (1987)
-
[Publications] 成田一: 言語理解 特定研究「言語情報処理の高度化のための基礎的研究」62年第3回研究会要旨集. 10-20 (1987)
-
[Publications] 成田一: 言文だより 大阪大学言語文化部. 4. 38-40 (1987)
-
[Publications] 成田一: ディスコース・機械辞書 特定研究「言語情報処理の高度化のための基礎的研究」総括班. 100-102 (1987)
-
[Publications] 隅田他: 自然言語処理研究会資料 情報処理学会. 63-1. (1987)
-
[Publications] 成田一: 特定研究「言語情報処理の高度化のための基礎的研究」研究報告. (1988)