1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62120005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
京極 好正 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (90012632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 克三 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00029521)
三井 幸雄 東京大学, 薬学部, 助手 (40012637)
櫛田 孝司 大阪大学, 理学部, 教授 (00013516)
磯 晃二郎 東京慈恵会医科大学, 客員教授 (90012228)
荒田 洋治 東京大学, 薬学部, 教授 (40011499)
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Keywords | X線解析 / NMR / ディスタンスジオメトリー / シンクロトロン放射光 / 分子識別 / 安定同位体標識 / 分子グラフィックス / 色素レーザー |
Research Abstract |
1.蛋白質の精密な構造解析:我国独自の結晶解析の行われたSSI(ストレプトマイセスサブチリシンインヒビター)のX線解析の精度が上げられ, それにもとづいて蛋白質相互作用のモデルが考えられた. さらに新たにIL2(インターロイキンII)の結晶解析が始まった. NMRとディスタンスジオメトリーの方法によって溶液中の蛋白質の立体構造を決める方法が開発され, これを適用してコノトキシンG1,ω-コノトキシン,α-hANP,アンコベニン等の構造が決められた. 2.巨大な蛋白質の構造解析の手法の開発:強力なX線源としてシンクロトロン放射光と高性能のX線検出器が利用できるようになったので, 従来測定困難であったアクチンフィラメント由来の収縮中の反射強度変化が測定できるようになり, それを解析したところ, アクチンフィラメントと相互作用しているミオシン頭部は, 規則的にアクチン上に配列していることがわかり, 収縮のメカニズムに対して新たな知見を加えた. 3.分子識別機構の解析:安定同位体標識を用いて, 分子識別機構を解析する新しいNMRの手法が開発された. すなわち抗ダニシルモノクローナル抗体の培地に重水素化フエニルアラニン, および部分D化チロシンを加えて培養しIgGのチロシンのプロトンをきわめて鋭く検出した. ここに抗原を加えると抗原一抗体反応がNMRで追跡できる. 4.動的挙動と分子グラフィックス:蛋白質中のトリプトファン残基を色素レーザーで励起して, 発生する蛍光の挙動を見た. 温度を下げていくと, 急激に短波表へずれることが認められ, stochastic theoryによって説明された. パソコンによるグラフィックス法のプログラムが充実され, 種々の結晶構造に適用されて, 今までに見過されていた情報が引き出されるようになった.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] S.J.Lee: EMBO J.6. 1129-1135 (1987)
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[Publications] W.Ito: J.Biochem.102. 643-649 (1987)
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[Publications] M.Tokunaga: Nature. 329. 635-638 (1987)
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[Publications] S.Kinoshita: Chem.Phys.Lett.134. 605 (1987)
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[Publications] Y.Amemiya: Science. 237. 164-168 (1987)
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[Publications] K.Kato: J.Biochem.102. 1-4 (1987)
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[Publications] 荒田洋治,京極好正: "蛋白質のNMR(蛋白質.核酸.酵素増刊32号)" 共立出版, 216 (1987)
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[Publications] 磯 晃二郎: "パソコングラフィックス -タンパク質・核酸" 講談社サイエンティフィック, 124 (1987)