1987 Fiscal Year Annual Research Report
人間の情報処理過程に立脚した自然言語理解と自動プログラミングへの応用
Project/Area Number |
62210008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊田 順一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (80180371)
山口 高平 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20174617)
上原 邦昭 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60160206)
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Keywords | 自動プログラム合成 / 日本語文解析メカニズム / ゴール / プラン / 説明機能類推 / 帰納 / 知識工学 |
Research Abstract |
本研究は, 自然言語による仕様からのプログラム合成プロセスの解明を通して, 人間の情報処理過程に立脚した自然言語処理システムの構築をめざしたものである. 本研究で得られた成果は以下のとおりである. 1.自然言語による非形式的な要求仕様記述を解析するために, HEARSAYシステムで採用された黒板モデルの概念を導入し, 文の入力と同時進行的に解析を進め, 文の入力が終わった時点ですべての解析処理を完了する, オンライン分散処理型の解析メカニズムを開発した. 入力文は日本語の漢字かな混じり文で, 形態素解析も意味解析と同時に行うものである. また, 本システムの解析用辞書には, 情報処理振興事業協会が開発した「計算機用日本語基本動詞辞書」を用いている. 2.要求仕様に含まれるユーザの意図を抽出するためには, ゴール・プランの概念が有効である. また, 展開された一次元的なプラン列の一部を併合し, 新たなプランを再構成するといったことが必要である. このような考え方に沿って, 本年度はプログラム合成システムAutoProの開発を推し進めると同時に, プログラミングの基本原理を用いて, システムの行った合成過程のトレース, 合成の根拠などを自然言語でユーザに説明するシステムJustifyの発を新たに行った. 3.人間は多くのプログラムを作成していく上で, 自動的にプログラム作成ノウハウを学習している. このような観点から, 演繹型推論に加えて, 類推, 帰納の概念を導入したプログラム理解の研究を開始した. 本研究では, 従来自然言語理解の研究で得られた知見を導入して, プログラムの概念構造としスクリプトを用い, 類似したスクリプトによる新たなプログラムの合成, 蓄されたスクリプト集合からの一般化によるプログラム技法の抽出メカニズム開発などを行った.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 一本木 真史: 電子情報通信学会論文誌. J-70D. 2294-2299 (1987)
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[Publications] 豊田 順一: 人工知能学会誌. 2. 289-298 (1987)
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[Publications] 辻井 潤一: 情報処理. 28. 913-921 (1987)
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[Publications] 上原 邦昭: 人工知能学会誌. 28. 324-332 (1987)
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[Publications] 今中 武: 情報処理学会論文誌. 2. 349-358 (1987)
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[Publications] Takashi Kakiuchi: Logic Programming'86. 1-11 (1987)