1987 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起反応過程におよぼす半導体表面の不均一性の効果とその応用的展開
Project/Area Number |
62213020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米山 宏 大阪大学, 工学部, 教授 (80029082)
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Keywords | 光触媒反応 / 光画像形成 / 半導体触媒 / 導電性高分子 |
Research Abstract |
(1)電解重合により調整されるポリピロール, ポリチオフエン, ポリフランのn型シリコン電極表面上への光増感電解重合析出挙動を, ヘリウムネオンレーザビームを電極表面上に点照射することにより調べた. その結果, いずれの高分子についても, 電極を陽分極するほど, 一定の電位のもとで電解電気量を増すほど, あるいは, 光照射強度を増すほど光の照射部位をはみ出して高分子の析出の起こる傾向が顕著になることが明らかになった. このような高分子像の広がりには, 電極表面内や析出した導電性高分子内での電極表面と平行な方向への正孔の拡散が関係していると考察した. (2)アルファターチエニルと過塩素銀を溶かしたアセトニトリル溶液中に, 片面を鏡面, 裏面を傷面としたn型シリコンウエハーを浸漬して鏡面を光照射すると, 傷面上への銀の析出を伴なって光照射部位にポリチオフエンが光触媒的に析出することを見出した. この際のポリチオフエンの析出の解像度には, 電解析出の場合と同様に, 光照射強度ならびに光照射時間(光電解析出量に相当)がいちぢるしい影響をおよぼすことが明らかになった. (3)ポリチオフエンの光触媒析出反応を利用した光パターン形成の可能性を調べるために, ヘリウムネオンレーザビームを約10ミクロンに絞り, これをシリコンウエハー表面上で走査して, ビーム走査部位にポリチオフエンを析出させることを検討したところ, ビーム強度とビーム走査速度の選定によって, 解像度の良いポリチオフエン析出像の得られることが分った. しかし, ポリピロールでは解像度の良い析出は得られなかった. この違いをもたらしているおもな原因に, 吸光度の違いのあることが推定された. (4)ポリチオフエンの光触媒析出に際して, 光照射するn型シリコンウエハーの鏡面に明瞭な傷をつけると, そこにはポリチオフエンが析出しないことが見出された.
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