1987 Fiscal Year Annual Research Report
光電子移動反応を利用する複素環化合物オレフィン類の高選択的アミノ化反応の開発
Project/Area Number |
62213026
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
志摩 健介 宮崎大学, 工学部, 教授 (20029862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 昌秀 宮崎大学, 工学部, 助教授 (00174516)
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Keywords | 光電子移動反応 / アミノ化反応 / メトキシスルベン類 / イソキノリンアルカロイド / 求核反応速度 |
Research Abstract |
我々は光電子移動反応を利用する芳香族炭化水素の直接的アミノ化反応について研究を行っている. この光アミノ化反応はアミノ化試剤にアンモニアや第一アミンを用いて温和な条件下で行える簡便な直接的アミノ化反応である. そのため新しい合成反応としての展開が期待される. そこで本研究では光アミノ化反応の(1)合成化学的研究と(2)機構的研究の二つについて検討を行った. (1)スチルベン類の光アミノ化反応を利用したイソキノリンアルカロイドの合成研究-メトキシ置換スチルベンの光アミノ化反応はメトキシ置換スチルベン, mジシアノベンゼンおよびアンモニア・第一アミンを含むアセトニトリルー水(9:1)溶液を高圧水銀灯で光照射する事によって行い, 対応する1-アミノまたは1-アルキルアミノー1, 2-ジアリールエタンを与えた. アミノ基はメトキシ基をより多く置換したアリール基のべンジル位へ選択的に導入された. しかしながら, 1つの芳香核に2つ以上のメトキシ基またはメチレンジオキシ基を有するスチルベンでは収率が低下した. 合成化学的に重要な事としてグリシンエチルエステル, エタノールアミン, およびジエチルアミノアセタールの様な二官能性アミンを用いる光アミノ化反応が効率よく起こる事が挙げられる. それらの官能基を利用した分子内環化反応によりベアジルイソキノリンへ導く事が可能である. (2)芳香族炭化水素の光アミノ化反応の機構的研究-光アミノ化反応の機構は光電子移動反応で生成した芳香族炭化水素カチオンラジカルへのアミンの求核攻撃によって進行し, その求核攻撃の速度はフェナントレンカチオンラジカルに対するn-PrNH_2の場合8.0×10^8M^<-1>S^<-1>と求められた. また効率の良い光アミノ化反応のためにはアミンの酸化電位が芳香族炭化水素の酸化電位より0.3-0.4V高いことが必要であることなどが明らかになった.
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Research Products
(2 results)