1987 Fiscal Year Annual Research Report
有機水銀化合物の特性を利用する炭素環および複素環天然物の合成
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62215001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白浜 晴久 北海道大学, 理学部, 教授 (00000802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳屋 光俊 北海道大学, 理学部, 助手 (20000846)
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Keywords | 全合成 / チルシフェロール / チルシフェロール 23-アセタート / 5-エンーl-オールのシャープレス酸化 / SEM基の除去条件 |
Research Abstract |
本年度はチルシフェロール(1__〜)及びその23-アセタート(2__〜)の全合成を完了した. 1__〜の四つのエーテル環の中, A, B, C, 三つのテトラヒドロピラン環は昨年合成を行い報告した. D環に当る2, 5-トランスージアルキルテトラヒドロフラン環を構成するに際し, まず水銀塩による環化を検討したが, テトラヒドロフランへの環化と, テトラヒドロピランへの環化が半ばし, 良い条件を見出せなかった. 1, 2-ジアセチルー3, 7-ジメチルー6-オクテンー3-オール(3__〜)をバナジューム触媒存在下パーオキシド酸化すると, エポキシドを経て選択的にシスージアルキル体を生じた. 3__〜からトランス体を選択的に得るためにバナジュームが関与する酸化反応時のコンホメーションを考慮して, 3__〜の1, 3位のOH基をジメトキシベンツアルデヒドで保護して6員環に固定し, 2位のOH基がバナジーュームに関与できるようにしたところ予想通りトランス体が選択的に得られた. しかし実際にはエポキシ化する二重結合がこれまで末端にあるものについて検討していたのを内側に入れ, ジオール基を末端としたものについて酸化すると, トランス体が選択的に出来ることを見出し, これを利用してD環を構築した. D環となる部分はB, C環の構築につづき作りつけ, ついで環化した. A環は最後に構築する経路をとった. 得られたチルシフェロールはNMR等のスペクトルデータはもちろん, 施光分散も天然物のそれと完全に一致した. 次にチルシフェロール類の中で最も制癌性の高い23-アセタートを合成した. これにはD環となる部分の末端のOH基を他と区別するため, SEM基で保護しD環を構築後外してアセチル化することにした. 一般にSEM基はF^<【○!-】>で容易に除去できるがこの場合は難しく, 種々検討の結果4A°モレキュラシーブを加えることで容易に除けることがわかった. この条件は一般に適用すれば好収率を与える. OH基はまた無水酢酸-DMAP中120度に加熱する条件でのみアセタートを与えた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 橋本 勝,菅 敏幸,柳屋 光俊,白浜 晴久,松本毅: Tetrahedron Lottens. 28. 5665-5668 (1987)
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[Publications] 橋本 勝,菅 敏幸,野崎耕司,柳屋光俊,白浜晴久,松本毅: Tenahedron Lettevs.
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[Publications] 橋本 勝,柳屋光俊,白浜晴久: Chemistay Letters.