1987 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属のオキソ及びパーオキソ錯体を用いた選択的酸素酸化反応の研究
Project/Area Number |
62215009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
諸岡 良彦 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70016731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穐田 宗隆 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (50167839)
鈴木 寛治 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (30106629)
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Keywords | オキソ錯体 / バーオキソ錯体 / アルキルパーオキソ錯体 / 酸素酸化反応 / ボリヒドリド錯体 |
Research Abstract |
本研究は選択的な酸素酸化反応開発のための基礎的な知見を得ることを目的とし進められ, 本年度は遷移金属のカチオン種に配位することにより, 求電子剤として活性化された反応基質と, 酸化剤のアニオン活性種との反応について検討し, 以下の成果を得た. ノルボルナジェンを配位子とするルテニウム2価錯体を塩化メチレン中, ホウフツ化銀で処理すると, 配位子の骨格転位により配位不飽和なカチオン性ルテニウムーフルベン錯体が生成することを見い出した. 本反応はC(Sp^3)-C(Sp^2), 結合の開裂を経て進行するもので, 後周期遷移金属錯体の反応としては極めて稀である. 配位不飽和なカチオン性ルテニウムーフルベン錯体とカリウムt-ブチルパーオキサイドとの反応では, アニオンは中心金属を求核攻撃し, 対応するt-ブチルパーオキソルテニウム錯体を生成することを見い出した. t-ブチルパーオキソルテニウム錯体のベンゼン中での熱分解反応は, t-ブチルパーオキシ基のエチリデン炭素に対する分子内求核攻撃を経て進行し, アセチルシクロペンタジエニル錯体が最終生成物として得られる. 本研究およびこれに関連するこれまでの研究成果を総合し, 不飽和炭化水素を配位子とするVIII族遷移金属のカチオン錯体と, スーパーオキサイド, t-ブチルパーオキサイドイオン等, 酸素アニオン種の反応経路は, 錯体の電子状態によって仕配され(a)錯体が配位飽和な場合, アニオンは配位子を求核攻撃し, (b)錯体が配位不飽和な場合は, 中心金属を求核攻撃することが明らかになった. 本研究ではまた, オキソ錯体, アルキルパーオキソ錯体などの合成に際し出発原料となるニ核のポリヒドリド錯体, μ-テトラヒドリドジルテニウム錯体の合成および単離に成功した.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Suzuki.,D.H.Lee,N.Oshima,and Y.Moro-oka: Organometallics. 6. 1569-1575 (1987)
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[Publications] H.Suzuki,H.Omori,and Y.Moro-oka: J.Organomet.Chem.327. C47-C50 (1987)
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[Publications] D.H.Lee,H.Suzuki,and Y.Moro-oka: J.organomet.Chem.330. C20-C22 (1987)
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[Publications] H.Suzuki,H.Fukui,and Y.Moro-oka: Synthesis in Chemistry. 33. 269-272 (1988)
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[Publications] M.Akita,T.Kawahra,and Y.Moro-oka: J.Chem.Soc.Chem.Commun,. 1356-1357 (1987)
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[Publications] M.Akita,A.Kondoh,T.Kawahara,T.Takagi,and Y.Moro-oka: Organometallics. 7. 366-374 (1988)
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[Publications] Wataru Ando and Yoshiko Moro-oka Eds: "The Role of Oxygen in Chemistry and Biochemistry" Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam, 614 (1988)