1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62217001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
梅澤 喜夫 北海道大学, 理学部, 教授 (80011724)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 正光 北海道大学, 理学部, 助手 (40091425)
菅原 正雄 北海道大学, 理学部, 助手 (50002176)
|
Keywords | 膜電極 / イオンチャンネルセンサー / 能動輸送センサー / イオンセンサー / 化学センサー / 生体類似センサー |
Research Abstract |
(1)今年度は, まず我々が開発したイオンチャンネルセンサーの選択性向上のために, 下地固体電極上に累積した脂質膜中に, いくつかのイオンに対するリセプター分子を包括し, それにより目的イオンの刺激によるマーカーイオンの膜透過性の増大を下地電極で検出するもので, イオンの選択的認識, 情報変換, 増幅を同時に, 一般的に達成できる方法を提出できた. 今後中性分子に対するセンサーの開発に展開していきたい. (2)能動輸送膜センサーは2年前に我々により開発されたが, 本年度は2つの点にポイントをしぼった研究を行った. 1つは増幅能の理論的解析とその実験的検証, 2つ目はATPaseをモデルにした化学系を分子設計し, それを用いての上り坂輸送効率の向上である. 後者の場合, 一般の能動輸送系の約9倍の輸送効率を達成できた. (3)大環状ポリアミンのプロトン付加による, ポリカチオンになる性質を利用する, 新しいタイプのアニオン分子に対するセンサーを目指し, 環のサイズ, 環中電荷密度(プロトネーションの数)などをデザインして合成し組織的研究をはじめた. (4)嗅覚センサーの試作もはじめた. グラシーカーボン電極上にLangmuir-Blodgett法により, 種々の異なる合成脂質分子を累積し, 数種の嗅い物質に対する膜電位の変化を観測した. 膜, 及び臭い物質の種類により, 膜電位の大きさが異なることを見出し, 本アプローチによるポテンシオメトリックセンサーの可能性を示した. (5)他に膜, 界面の分子認識に関する基礎的研究を昨年度に引き続き行い, 開発研究のback-upを行った.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] M.Sugawara: Analytical Chemistry. 59. 2872-2846 (1987)
-
[Publications] Y.Umezawa: GBF Monographs. 10. 139-144 (1987)
-
[Publications] Y.Umezawa: Bioelectroanalysis. イチガツゴウ. 407-420 (1987)
-
[Publications] 宇都 正幸: 日本化学会誌. サンガツゴウ. 489-494 (1987)
-
[Publications] Y.Umezawa: "Chemical Sensor Technology" Kodansha Co.,(1987)