1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62219009
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山村 庄亮 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (40076708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 繁 慶応義塾大学, 理工学部, 講師 (20137988)
三義 英一 慶応義塾大学, 理工学部, 助手 (50166211)
志津里 芳一 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (90135294)
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Keywords | マメ科植物 / 刺激伝達物質 / 就眠物質 / 大環状化合物 / バイオリズム |
Research Abstract |
前年度において, 単離・構造決定したカワラケツメイ及びハブ草の就眠物質(ケリドン酸ジカリウム塩)と植物ホルモンの一つであるインドール酢酸との拮抗作用について検付した. すなわち, 活性テストとしてカワラケツメイの枝葉を用いたとき, ケリドン酸ジカリウム塩は10^<-6>-10^<-7>Mの濃度で活性を示し, 昼間でも葉を閉じさせる. またカリウム塩の代りにナトリウム, マグネシウム, カルシウムの各塩を合成したが, 活性は認められなかった. したがって, カリウムイオンの存在が活性発現に重要であることがわかった. そこで, 酢酸, しゅう酸, 安息香酸, 桂皮酸などのカリウム塩を用いてテストを行ったが, 同様に活性は認められなかった. 以上のことより, カワラケツメイの葉を閉じさせる本体はケリドン酸ジカリウム塩であると決定した. 次いで, 葉を開かせる物質としてインドール酢酸について検付した. すなわち, インドール酢酸は10^<-4>〜10^<-5>Mの濃度でカワラケツメイの葉を夜間でも開かせておくことがわかった. そこで両者を同時にカワラケツメイに投与した結果, 両者は互に拮抗することがわかった. 他方, メドハギの就眠物質を追究したところ, 就眠物質(オジギソウの活性物質とUVがよく似ている)と伴にカワラケツメイの葉を夜間でも開かせる物質を単離することに成功した. 400MHzNMRスペクトル及びアセチル化反応などから, 本物質がP-ヒドロキシベンツアルデヒドとD-グルコースがグリコシド結合をし, さらにD-グルコースの2′-位の水酸茎とアルデヒド間でヘミアセタール結合をした特異な大環状化合物であることがわかった. 環の大きさについては現在まで明らかではないが, イオンクロマトグラフィーを行った結果, カリウムイオンが環中にとり込まれていることがわかった. 以上のほか, ピーナツ, エビスグサ, ヤハズグサなどの就眠物質について研究を進めている.
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[Publications] Eiichi Miyoshi: Chemistry Letters. 511-514 (1987)
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[Publications] 山村庄亮: 化学と生物. 25. 767-769 (1987)
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[Publications] 山村庄亮: ファルマシア. 24. (1988)