1987 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴によるカルモデュリン及びトロポニンCの高次構造の解明
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62220001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
引地 邦男 北海道大学, 理学部, 教授 (30000805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊倉 光彦 北海道大学, 理学部, 教務職員 (00142688)
田中 勲 北海道大学, 理学部, 助教授 (70093052)
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Keywords | カルモデュリン / トロポニンC / マストパラン / M13 / 核磁気共鳴 / 2次元NMR / カルシウム / カドミウム |
Research Abstract |
トロポニンC(TnC)について, 2次元NMRを用いてアミドプロトン及びαプロトンのシーケンシャルアサインメントを試みた. Cドメイン及びNドメインのカルシウム結合部分のGlyを含むいくつかの残基が帰属された. Ca^<2+>結合状態でCドメインの2つのCa^<2+>結合部位の間にβ構造があり水素結合が2つあることがわかった. Nドメインについてはアポ状態で, 対応する部分にβ構造と水素結合が2つあることがわかった. Mg^<2+>イオン結合について調べた. 従来, Mg^<2+>はCドメインのみに結合するといわれていたが, Mg^<2+>滴定によるNMRスペクトルの変化からは両ドメインに結合することがわかった. 結合部位はMg^<2+>-Ca^<2+>2重滴定でCa^<2+>結合部位と同一であることがわかった. カルモデュリン(CaM)については, マストパラン(MP)及びミオシン軽鎖キナーゼのアナログであるM13の結合を調べた. Ca^<2+>の代わりにCd^<2+>を用いCd^<2+>のNMRスペクトルを測定した. MPあるいはM13が存在していない状態でCaMにCd^<2+>を加えると, 最初の2モルまでの間に2本のCd^<2+>シグナルが現れ, さらに加えてもスペクトルに変化がなかった. 4モルのCd^<2+>が結合することが知られているので, Cドメインにはゆっくり交換しながら結合しており, Nドメインには速い交換をしていることを示している. MPが存在すると, Cd^<2+>の添加にともなって, 中間状態のピークが現れ, 最終的には4本のピークになった. M13存在下では, 最初から4本のピークが現れ, 両ドメインに結合していることを示している. MPあるいはM13が存在するとNドメインとCドメインの間に相互作用が生じることがわかった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 引地 邦男: 「蛋白質.核酸.酵素」臨時増刊"蛋白質のNMR". MO32. 125-135 (1987)
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[Publications] 伊倉 光彦,引地 邦男: 「蛋白質.核酸.酵素」臨時増刊. (1987)
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[Publications] M.Ikura,O.Minowa,M.Yazawa,K.Yagi,and K.Hikichi: FEBS Lett.,. 219. 17-21 (1987)
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[Publications] M.Yazawa,M.Ikura,K.Hikichi,L.Ying,and K.Yagi: J.Biol.Chem.,. 262. 10951-10952 (1987)
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[Publications] Sakae Tsida,Yasushi HasegawaMikiharu Yoshida,Koechi Yagiand Kunio Hikichi: Biochemistry. (1988)