1987 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸残基置換がT4ファージ尾鞘蛋白のサブユニット間相互作用と機能に及ぼす影響
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62220002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石井 信一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90001031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勲 北海道大学, 理学部, 助教授 (70093052)
有坂 文雄 北海道大学, 薬学部, 助手 (80133768)
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Keywords | バクテリオファージ / 収縮性尾鞘 / 尾鞘蛋白質 / プロテアーゼ限定水解 / ウェスタンブロッティング / ドメイン |
Research Abstract |
1.gp18のドメイン構造の検討:gp18はシースの状態ではプロテアーゼによって全く切断を受けないが, 単量体の状態では種々のプロテアーゼによって切断を受け, トリプシンでは分子量27K, キモトリプシンでは29K, サーモライシンでは26K, またリシルエンドペプチターゼ(API)では42Kと31Kの, プロテアーゼ抵抗性断片を生じる. これらのプロテアーゼ抵抗性領域の一次構造上の位置を同定するために, 各断片を調整用SDS電気泳動により分離し, 各消化断片を電気泳動的に抽出した. これらの断片のアミノ酸配列分析を行い, N末端を決定し, 更に分子量とプロテアーゼの基質特異性を考慮することにより, トリプシン消化断片27KはAla82〜Lys316, キモトリプシン消化断片29kはGly74〜Phe333, サーモライシン消化断片26KはVal83〜Asp313であると同定され, プロテアーゼ抵抗性領域は, およそ残基番号80〜310までの領域であることがわかった. APIの場合, 42K断片はAsp302〜Gly658(gp18 C末端)であったが, 31K断片は2つのペプチドの混合物であって, 一方がGlu11〜Lys301であるのに対して, 他方はAsp302〜Lys568であった. APIはその高い基質特異性のために, 他のプロテアーゼでは切断されやすいC末端領域が切断されずに残るものと考えられる. 尾鞘は外に大きく突き出した部分を持っており, この部分がプロテアーゼでは切断されないことから, これが上記のプロテアーゼ抵抗性領域である可能性が高いと考えられる. 更に種々の抗血清を用いてイムノプロッティングを行い, gp18のトリプシンとAPIによる限定水解中間体を同定することにより, 切断の順序を決定した. 2.光-CIDNP法によるgp18のチロシン残基の検出:2個のチロシン残基が検出され, その2つのピークはgp18をニトロ化することによって消失した. なお, 収縮したシースの結晶化およびミュータントの変異部位の同定については現在進行中である.
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[Publications] Takashi Kumazaki: Proteins:Struc.,Finc.,& Genetics. 1. 100-107 (1986)
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[Publications] Fumio Arisaka: Journal of Protein Chemistry. 6. 245-251 (1987)
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[Publications] Fumio Arisaka: Journal of Virology. 62. (1988)
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[Publications] Fumio Arisaka: Journal of Virolgy. 62. (1988)
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[Publications] Doris Powell: 投稿準備中.
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[Publications] 有坂文雄: 生物物理. 27. 95-100 (1987)