1987 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化・脱リン酸化によるヌクレオリーム会合の制御
Project/Area Number |
62220027
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
鈴木 理 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (70187764)
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Keywords | ヌクレオリーム / DNA結合蛋白質 / 超分子集合体 / プロテアーゼ / キナーゼ |
Research Abstract |
真核生物の染色体はヌクレオソームとよぶ蛋白質(H2A, H2B, H3, H4の4種のヒストン)-核酸複合体がH1蛋白質と相互作用して高次構造を形成したものである. ウニ精子核H1を用いて核酸との相互作用を調べた. 特に, リンカーDNAに結合するH1N端に注目してきた. この領域がアミノ酸4残基の6回のくり返しからなる事を1次配列から指摘した. (SPKK)これをもとにユニット1つ(4残基)2つ(8残基)を合成し, NMR測定を行った. この結果, このユニットが水素結合を2つ持つターン構造である事が明らかになった. COSY, NOESY, TOXY, ROESY, E-COSY, HMBC等のデータをもとに, 日本電子永山グループと協力してこの構造をディスタンスジェオメトリー法で決定しつつある. このH1が受精に際して代謝を受ける事, またその際リン酸化される事はすでに報告されている. ウニ卵よりSPKK特異的なプロテアーゼとキナーゼを単離した. プロテアーゼは分子量約3万でセリンプロテアーゼらしく2価イオン(Mg^#, Ca^#)要求性である. キナーゼはcAMP依存性で触媒単位2個, 調節単位2個からなる4量体である. 分子量は両単位とも約4万である. キナーゼがセリンをリン酸化し, SPKKの核酸結合がゆるやかになったところでプロテアーゼが切断するものと思われる.
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[Publications] 鈴木 理: Proc,Japan acad.64. 29-32 (1988)
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[Publications] 鈴木 理: Proc,Japan acad.64. 33-36 (1988)