1987 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシンIIリセプターの単離とcDNAクローニングによる構造決定
Project/Area Number |
62222005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 茂久 東京工業大学, 理学部, 教授 (10134199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二見 瑞子 東京工業大学, 理学部, 技官
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Keywords | アンジオテンシンII / レセプター / 心房性ナトリウム利尿ホルモン / 血圧 / 内皮細胞 / レセプター抗体 / Radiation Inactivation |
Research Abstract |
アンジオテンシンIIレセプターに関する私たちのこれまでの仕事を発展させると共に, アンジオテンシンIIとは全く逆の働きをする心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)レセプターの性質と構造をも明らかにすることを目指して研究を進め以下の成果を得た. (1)アンジオテンシンII(AII)レセプターのTarget Size分析:ウシ副腎皮質から調製した膜画分をアンプルに入れて凍結乾燥した後, 真空下で封入し, 照射用の試料とした. 放射線の照射量とレセプター活性の失活の度合いより, AIIレセプターのサイズは約140kDaと推定された. 先にアフィニティーラベリングによって求めた値と大まかに一致しているが, G蛋白質とレセプターの複合体を一つの活性単位としてとらえきいる可能性もあり, 今後さらに詳細に検討する必要がある. (2)ANPレセプターの精製と性質:ウシ肺から精製したANPレセプターの構造を電気泳動により解析したところ, ANPレセプターは70kDaのサブユニット2個がジスルフィド結合でつながった140kDaの糖蛋白質であることがわえった. また, NH_2末端のアミノ酸配列を決定したところ1種類の配列しか現れなかったことより, ANPレセプターはホモダイマー構造を有することが示唆された. 精製標品をCNBrで処理しフラグメント化した後, 気相シークエンサーでアミノ酸配列を決定したところ, 5個のフラグメントについて部分シークエンスを決定ひることができた. この情報に基づいてオリゴDNAプローブを作製し, cDNAをクローニングし塩基配列を決定中である. (3)抗体の作製と利用:ANPレセプターに対する抗体を作製した. 培養した血管内皮細胞をあらかじめこの抗体で処理しておくと, ANPに対する応答が消失することより, 私たちが作製した抗体はANPの関与する情報伝達系の解析に有用であることがわかった. また, この抗体を用いて免疫組織化学的にレセプターの局在部位を同定することに成功した.
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[Publications] M.Shimonaka: J.Biol.Chem.262. 5510-5514 (1987)
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[Publications] K.Uchida: J.Biol.Chem.262. 12401-12402 (1987)
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[Publications] M.Shimonaka: Am.J.Physiol.253. F1058-1062 (1987)
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[Publications] H.Shionoiri: Biochem.Biophys.Res.Commun.148. 286-291 (1987)
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[Publications] 広瀬茂久,下仲基之,石堂正美: 細胞. 19. 140-144 (1987)
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[Publications] 石堂正美,下仲基之,内田恵子,広瀬茂久: 肺と心. 34. 268-275 (1987)