1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62222029
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
川島 誠一 東京都老人総合研究所, 生化学部, 室長 (60008571)
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Keywords | カルシウム依存性 / プロテアーゼ / モノクロナル抗体 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
広く動物界に分布する主要な細胞内プロテアーゼであるカルシウム依存性中性プロテアーゼ(CANP)の血管系における役割を明らかにするため, 抗CANP抗体を用いて血管および培養細胞におけるCANPの存在部位を同定した. ウサギ骨格筋を材料としてμCANPとmCANPを精製し, それぞれを抗原としてポリクロナル抗体を作成した. その多くはmCANPあるいはμCANPの大サブユニットに特異的であったが両CANPの大サブユニットと共通に反応するクロンや小サブユニットだけを認識するクロンなども存在した. そこで先ず, CANPの全体像を明らかにするため, 両CANPと反応するクロン(1D_<10>A_7)を用いてウサギ各種臓器の凍結切片を酵素抗体法(アビジンービオチン複合体法)で染色した. ジアミノベンジジンの発色度は, それぞれの臓器に含まれるCANP活性量に概ね一致した. また, 臓器内の発色は一様でなく, 特に上皮系組織が強く反応し, 細胞固有の機能との関連が示唆された. 脳, 肝臓, 心臓, 骨格筋, 肺臓など多くの臓器で血管が強く染まり, 太い血管では血管の内側部と基底部分のみが反応した. 上述の血管におけるCANPの存在を確認するため, 単離した微小血管および血管内皮細胞, 平滑筋細胞の抗体染色を行った. ラット脳から単離した微小血管は抗CANP抗体と強く反応し, ヒト臍帯動脈からの内皮細胞および平滑筋細胞も強く反応し, いずれも高濃度のCANPの存在を示した. 一方, 繊維芽細胞は擬陽性であった. 以上の結果は, CANPが血管内皮細胞における物質の透過や基底膜を通しての情報伝達, 平滑筋細胞における刺激の受容応答などに深い関わりをもっていることを示唆する.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.SaKai,H.Akanuma,K.Imahori&K.Imahori: J,Biochem.102. 377-384 (1987)
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[Publications] M.Hayashi,Y.Kasai,& S.Kawashima.: Biochem.Biophys.Res.Commun.148. 567-574 (1987)
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[Publications] M.Nakamura,K.Imahori,& S.Kawashima: Comp.Biochem.Physiol.89B. 381-384 (1988)
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[Publications] S.Kawashima,M.Hayashi&K,Imahori: Biochim.Biophys.Acta.