1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62300007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 正徳 東京工業大学, 理学部, 教授 (10011553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 良夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (10022708)
飯尾 能久 京都大学, 理学部, 助手 (50159547)
大内 徹 神戸大学, 理学部, 助手 (50116191)
尾形 良彦 統計数理研究所, 助教授 (70000213)
伊藤 敬祐 神戸大学, 理学部, 教授 (00030792)
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Keywords | フラクタル / 地震 / 震源過程 / 岩石破壊 / カオス / パターン形成 |
Research Abstract |
フラクタルは最近急速に発展しつつある非整数次元の形を取り扱う幾何学であり、破壊、パターン形成、ランダム媒質中の波動伝播等の現象を通じて、地震学とも密接に関連している。本研究の目的はフラクタルの最新の知識を地震学に導入すると同時に、地震学固有の問題をフラクタルを専門とする数学者、物理学者に理解してもらい、それによってフラクタル科学の発展と地震学の発展を期待するものである。具体的には、分担者を中心とするいくつかのワーキング・グロープを発足させ、グループ毎に問題のレビューと研究を行い、これらの成果をシンポジウムで発表、討論するという形態をとった。昭和62年度においては計3回のシンポジウムを開催した。これらのシンポジウムにおいては、先ず地震学に限らず広く地球科学、天文学、物理学、化学の分野におけるフラクタル並びにカオスの現象を総括し、これらの現象と地震現象との類似点、相違点についての共通の認識を深めた。フラクタルは元来幾何学的な概念であるために、静的な現象を記述するのには威力を発揮する。したがって現象そのものを見る限りにおいては各分野に見られるフラクタル現象には共通点が多い。しかしこのことがそれらの現象を支配している物理、化学的な過程に共通性があるわけではない。そこで本研究の後半では現象の記述だけではなく、ダイナミックな側面にも注意を払うことにした。すなわち、化学反応、流体運動の非平衡、非定常現象、岩石などの破壊過程のダイナミックス等が取り上げられた。昭和63年度においては2回のシンポジウムがこの線に沿って開催され、震源の階層性、フラクタル構造中の波動伝播、断層の相互作用等が議論された。これらの成果は既に「数理地震学(III)」として公刊されており、63年度の成果は「数理地震学(IV)」として公刊される予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 高安秀樹 他: "フラクタル科学" 朝倉書店, 1-258 (1987)
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[Publications] 斎藤正徳: "数理地震学(III)" 統計数理研究所, 1-380 (1988)