1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62301021
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
佐藤 毅 一橋大学, 社会学部, 教授 (10061095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 一 亜細亜大学, 経済学部, 講師 (00200501)
草津 攻 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (20101652)
栗原 孝 亜細亜大学, 経済学部, 助教授 (40170089)
市川 孝一 文教大学, 人間科学部, 助教授 (30118608)
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Keywords | しつけの相互行為 / 親子のズレ / 子供の私生活主義 / 父親の高飛車言葉 / 親子一体型と親子別体型 / 叱り言葉 / 「はやく」 / 「うるさい」 |
Research Abstract |
本研究は日本人の行為の規制原理を大きく規定する「社会化」の過程における「しつけ行為」に研究の焦点をあて, とくに「しつけ」を親と子の相互行為とみることによって, その実態を探ろうとするものである. 本研究は二年間にわたる継続研究であり, 昭和62年度はその一年目として, 予備調査を行なった. 主たる調査は, 東京郊外の五日市市と国立市の小学生高学年, 中学生, その父親, 母親のセットを対象(五日市市, 小学生52セット, 中学生71セット, 国立市, 小学生45セット, 中学生24セット, 計192セット)とし, アンケート調査によって, 昭和62年12月に実施した. その主な知見を次にまとめておく. 1.親の子供期待像と子供の志向像. 両者ともその一位は「明るい元気な子供」で一致したが, 二位は親が「素直な子供」「人に迷惑をかけない子供」をあげ, 子供が「仲間に人気のある子供」をあげ, そのズレが見られた. 2.子供の將来像. 親と子供ともその一位に「幸せな家庭生活をおくる人」をあげ一致したが, 親の四位に「広く社会のためにつくす人」があがり, 子供の五位に「経済的に豊かな生活をする人」があがって, そのズレがあった. 3.しつけの担い手. 圧倒的に母親である. 4.親子のよい理解関係. 母と子の線に強く傾く. 5.叱り方. 一位は「その場でよく分かるように説明する」, 二位「怒鳴る」が親子とも一致. 6, 親の叱り言葉. 「はやく〜しなさい」「いいかげんにしなさい」「やる事をやってから〜しなさい」の順で多い. 7.子供の叱られ言葉. 父親の場合, 「うるさい」「言いわけをするな」など高飛車な言葉が目立つ. 8.ほめ言葉. 「がんばったね」「やればできるんじゃない」「良くできたね」の順で多い. 9.親の子供観. 親子一体型と親子別体型に分極化する傾向がある. 昭和63年度は細〓研究の二年目にあたり, 対象地点を変えて本調査を行う計画である.
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