Research Abstract |
研究の第1年目に当たり, 研究分担者6名, 研究協力者15名の計21名をもって, 研究体制を組織した. これにより本研究全体の構成と研究領域の分担を協議した. 研究内容の構成は, 1序言(都市病理と生活福祉), 2基礎構造の問題(生態構造, 産業と労働, 文化と歴史, 環境と余暇),3健康問題(障害者,薬物・アルコール依存,精神障害),4問題行動(犯罪, 非行,自殺,売春),5家族問題(老人問題,単親家族,生活保護,低所得,養護問題,離婚),6学校問題(不登校,学業不信,学校での問題行動),7地域環境問題(交通,住宅,公害),8電話相談にみる生活問題,9人権と差別の問題, 10社会計画とした. 各分担者, 協力者は, 関係機関, 団体と連絡して, 既存の文献, 調査, 統計の資料の収集に当った. なお, 研究会において, 現在の北九州市を社会学的に考察するための基礎構造としての人口の推移, 分布, 移動の状況等の分析, 歴史的, 文化的背景, 地理的状況と土地利用の状況, 産業立地等について全体研究会を開き, 相互に意見の交換を行った. 児童・障害児の分野においては, 児童相談所の関係者との協議を重ね, 現状の分析, 要因となる家庭, 地域, 学校さらに当事者の人格的要因の検討を継続している. 基礎構造の分野では, 基礎産業とりわけ, 製鉄, 石炭を主要としてきた本市において, 産業構造の変化から, 人口の流出, 自然増の減少, 急速な人口高齢化を呈し, 生活環境としての機能の低下は, 家族, 地域社会, 人格と人間関係の側面にも病理現象を生じており, 本研究の課題として, 都市病理の分析にとどまらず. 生活福祉, 社会計画の領域に示唆を提供しうる内容も含むことを共通の理解とし, 次年度に研究のまとめを完了することにした.
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