1987 Fiscal Year Annual Research Report
西洋各国および日本における国家統合の社会史的, 思想史的研究
Project/Area Number |
62301052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤縄 謙三 京都大学, 文学部, 教授 (50025053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 宣雄 京都大学, 教養部, 教授 (50026754)
富岡 次郎 京都大学, 教養部, 教授 (50026712)
松尾 尊〓 京都大学, 文学部, 教授 (10027526)
服部 春彦 京都大学, 文学部, 教授 (20022345)
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Keywords | 国民統合 / 国民国家 / 帝国意識 |
Research Abstract |
「国家を民衆の視点からとらえ直す」というのが, 本研究の当初からの目標である. 研究の開始後, 研究分担者間で意見交換が進むにつれて, この問題にアプローチするには民衆の間の草の根的「帝国意識」を重視しなければならないのではないか, との知見が得られた. つまり, 「国家の統合論理」を考える際には「帝国の統合論理」をも視野に入れるべきではないか, という事である. さらに説明すれば, 非ヨーロッパ世界に対する政治的・経済的・社会的・文化的・思想的等の優越感をその本質とする「帝国意識」は, ヨーロッパ各近代国家の民衆の社会と思想に深く浸透し, この「帝国意識」こそがヨーロッパ各近代国家の社会的・思想的統合の大きな柱の一つだったのではないだろうか. このような知見を視野に入れて, 本年度(昭和62年度)既に次のような研究書・論文が発表(予定を含む)された. 富岡次郎『現代イギリスの移民労働者』,野田宣雄『教養市民層とナチズム』,松尾尊〓「米騒動鎮圧の出兵規模」.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 松尾尊兌: 史林. 71. 165-183 (1988)
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[Publications] 富岡次郎: "現代イギリスの移民労働者" 明石書房, (1988)
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[Publications] 野田宣雄: "教養市民層とナチズム" 名古屋大学出版会, (1988)