1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62301053
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
秋山 進午 富山大学, 人文学部, 教授 (00126484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 雅敏 富山県埋蔵文化センター, 主任
橋本 澄夫 石川県立埋蔵文化財センター, 所長
広岡 公夫 富山大学, 理学部, 教授 (30029467)
櫛木 謙周 富山大学, 人文学部, 助教授 (60161626)
宇野 隆夫 富山大学, 人文学部, 助教授 (70115799)
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Keywords | 北陸 / 古代 / 生産 / 須恵器 / 土師器 / 塩 / 鉄 / 手工業 |
Research Abstract |
研究分担者によって構成する北陸古代手工業史研究会の研究発表会を5回(第6回〜第10回)おこなった。第6回は、池野正男「越中射水丘陵の須恵器窯址」を発表し、富山県の須恵器窯の集成と編年をおこなった。第7回は、臨時講師として石川県立埋蔵文化財センター木立雅朗氏を招き、古代北陸の瓦生産の様相と特質について討議した。第8回は、宇野隆夫が「富山県立山町上末窯発掘調査の成果」を発表し、北陸と東海の技術交流を明らかにした。第9回は、櫛木謙周が「律令制下における地方支配の技術的基盤」と題して、文献史の立場から、古代の工人編成がどのようにおこなわれたかを示した。第10回は、広岡公夫が考古地磁気年代測定をはじめとして、自然科学的手法による生産遺跡調査の成果について発表した。 以上の研究分担者及びその研究成果を軸として、昭和63年9月にシンポジウム『北陸の古代土器研究の現状と課題』を開催し、窯業部門における北陸の様相のまとめと、他地域との比較をおこなった。 昭和63年8・9月には、富山県立山町上末窯第2次発掘調査を実施した。その結果8世紀末の須恵器窯1基、10世紀初め〜中頃の須恵器窯3基を検出するとともに、灰原の遺存状態が良好であったため、多量(整理箱約200箱)の層位資料を得た。これにより、第1次発掘調査の成果とあわせ、従来充分な資料のなかった8世紀末〜10世紀中頃の須恵器の様相について多くの点を明らかにできた。また8世紀末頃に、糸切り手法、平底甕、円形層塔のように東海地方の技術導入を示すものが現われること、10世紀中頃に窯の構造において段階式の床が発達することなど予期しなかった知見を得た。 現在、以上の研究・調査成果を報告書としてまとめるための準備作業を進めているところである。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 宇野 隆夫: 北陸の古代土器研究の現状と課題. 1988資料編. 399-410 (1988)
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[Publications] 田嶋 明人: 北陸の古代土器研究の現状と課題. 1988報告編. 1-3 (1988)
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[Publications] 池野 正男 (研究協力者): 北陸の古代土器研究の現状と課題. 1988報告編. 17-18 (1988)
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[Publications] 宇野 隆夫: 北陸の古代土器研究の現状と課題. 1988報告編. 40-43 (1988)
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[Publications] 小嶋 芳孝: 北陸の古代土器研究の現状と課題. 1988報告編. 55-64 (1988)
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[Publications] 関 清: 北陸の古代土器研究の現状と課題. 1988報告編. 65-70 (1988)
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[Publications] 宇野 隆夫: 考古資料にみる古代と中世の歴史と社会. 1989. (411)