Research Abstract |
本研究は,先に提出した交付申請書に述べたように,[1]常微分方程式の研究,[2]偏微分方程式の研究,[3]両分野にまたがる研究,の三つに大別され,さらにその各々がより具体的な特定課題の研究に細分される. 本年度は,代表者と分担者の緊密な協力と強力な指導の下で,これら全般の課題についての研究活動が積極的に実施され,得られた成果の交流等の研究連絡も活発に行われ,当初の目標はほぼ順調に達成された. まず10月17,18の両日にわたり,研究代表者および分担者による研究連絡会議を東京大学で行い,本研究(含次年度)の効果的な推進方法を討議するとともに,シンポジウムの実施計画を策定した. 次にこの会議の決定に基き,12月21日から23日までの間,日本大学理工学部において,『「微分方程式の総合的研究」研究集会』を開催した. この研究集会には実人員にして150名以上の研究者が参加し,上記の[1]に関する講演7,[2]に関する講演8,[3]に属する講演2,合計17の講演が行われ,さらに会場の内外での個人的な研究成果についての討論,交流が活発に行われた. この外に,代表者を中心とする微分方程式の定性的理論に関する研究集会(広島,7月14〜15日),久保田幸次の組織した偏微分程式に関する研究集会(札幌,7月27〜30日),分担者望月清を中心とする主に非線形偏微分方程式に関する研究集会(松本,11月30日〜12月2日),および分担者相沢貞一を中心とする非線形発展方程式に関する研究集会(唐津,12月4〜5日)が本研究の名のもとに行われた. 本研究は昭和63年度にも継続して行われる. 次年度も本年度とほぼ同じ 研究組織のもとで運営し,本年度に得れらた知見,成果をさらに拡張し深化させ,微分方程式の進展に実質的に寄与しうる良質,高水準かつ有意義な研究結果を創り出したい.
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