1989 Fiscal Year Annual Research Report
経年変化を考慮した海洋構造物の強度と安全性に関する研究
Project/Area Number |
62302035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 幸雄 大阪大学, 熔接工学研究所, 教授 (30029037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 博雄 大阪府立大学, 工学部, 教授 (90081398)
矢尾 哲也 広島大学, 工学部, 教授 (20029284)
岩田 光正 広島大学, 工学部, 教授 (80034346)
村川 英一 大阪大学, 熔接工学研究所, 助教授 (60166270)
富田 康光 大阪大学, 工学部, 教授 (30029251)
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Keywords | 海洋構造物 / 強度解析 / 経年変化 / 腐食衰耗 / 衝突強度 / 亀裂損傷 / 疲労強度 / 信頼性解析 |
Research Abstract |
本年度は各研究項目に対し、それぞれ下記のような成果を得た。 1.〔波浪外力〕実海象中に存在する波浪について、構造物の安全性確保の立場より、その統計的性質及び不規則変動の特性を検討した。 2.〔腐食疲労損傷〕経年劣化型の損傷に対して信頼度評価を行う為のマルコフ連鎖を応用した信頼性評価法を開発した。劣化事象として、疲労損傷及び板厚衰耗のある腐食疲労損傷を考え、塑性崩壊あるいは亀裂破壊を破壊事象とした。 3.〔衝突時流体力〕海洋構造物が船舶や漂流物と衝突し、損傷を受ける場合の流体力の影響を実験及び理論解析により検討した。特に、現象の速度と流体力の影響の関係を系統的に分析した。 4.〔腐食部材強度〕有限要素法により部分的に板厚が減少したパイプ部材の圧縮強度を系統的に計算し、腐食量及び形態が圧縮強度に及ぼす影響を検討した。更に、腐食パイプの圧縮強度推定法を提案した。 5.〔亀裂部材強度〕亀裂損傷が円筒部材の剛性・強度に及ぼす影響を実験及び解析により解明した。円周方向亀裂試験体の純曲げ荷重による崩壊挙動を調べ、破壊パラメ-タの限界値を求め、限界値が大きい程、最終強度後耐荷力の低下が少ないことを明きらかにした。 6.〔格点部静的強度〕格点部に複数本のブレ-スから3次元的に荷重が作用する場合に対し、格点部の初期剛性から最終強度に至るまでの力学的特性を、コ-ド板厚の腐食衰耗の影響も考慮して解明した。 7.〔格点部疲労強度〕種々の疲労試験法の特性を基に、格点部の疲労損傷の経年変化並びに信頼性解析に適切な疲労強度推定法を検討した。 8.〔信頼性解析〕骨組構造物の最終強度の信頼性評価システムを経年変化が考慮できるものに改良し、ジャケット型海洋構造物に対して数値計算を行い、経年変化による構造信頼性の低下の傾向を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中長啓治: "海洋構造物のV型格点部の初期剛性および降伏強度特性" 日本造船学会論文集. 165号. 233-244 (1989)
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[Publications] 矢尾哲也: "亀裂損傷を有する円筒部材の曲げ耐荷力に関する研究" 日本造船学会論文集. 166号. 295-302 (1989)
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[Publications] 藤本由紀夫: "マルコフ連鎖モデルによる劣化型損傷部材の信頼性評価" 日本造船学会論文集. 166号. 303-314 (1989)
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[Publications] 岡田博雄: "長大海洋骨組構造物の強度と固有振動特性に関する研究" 関西造船協会誌. 213号. (1990)