1989 Fiscal Year Annual Research Report
都市高速道路橋の疲労損傷事例とその防止対策に関する研究
Project/Area Number |
62302041
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中井 博 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00047052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 久哲 九州大学, 工学部, 助教授 (70108653)
三木 千寿 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20016645)
山田 健太郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (50109310)
渡辺 英一 京都大学, 工学部, 教授 (30026174)
堀川 浩甫 大阪大学, 溶接工学研究所, 教授 (40087250)
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Keywords | 疲労 / 鋼橋 / 都市高速道路橋 / 損傷事例 / 構造詳細 |
Research Abstract |
最終年度にあたる平成元年度には、この研究のもう一つのメインテ-マである都市高速道路橋の疲労損傷を未然に防止するための研究に取り組んだ。 まず、建設省や各公団・公社、あるいは橋梁建設業協会で規格化されている構造詳細の標準図を入手して、それらに対し、これまで蓄積されてきた疲労に関する基礎知識にもとづき、今後、望ましい構造詳細について検討を加えた。 つぎに、今まで鋼橋に採用されたことのある構造詳細を、もう少し広い立場から分類・整理しなおし、それらをもとにして、実際に鋼橋を設計したり、製作している技術者から、疲労損傷の実例とその補修方法、および今後の疲労損傷の防止方法に関する知見をアンケ-ト調査を行うことによって聴取した。そして、それらを疲労損傷防止の観点から分析のうえ、種々な考察を加えて一冊の報告書としてまとめた。 なお、引きつづき研究すべき今後の課題としては、以下のものがあげられる。 (1)疲労損傷の補修事例を通じて、種々な経験が積み重ねられているので、それを今後の資料とするため分類・整理する必要がある。 (2)その際、現在までの疲労に関する研究成果を利用すれば、よりよき構造詳細に改良できるものがあるので、それに関する検討が必要である。 (3)また、疲労損傷を防止するため、鋼構造技術者がもっている数々のアイデアをこの機会に聴取して検討する必要がある。 (4)しかしながら、それらを含めて、都市高速道路橋の疲労損傷については、今後まだ検討を加えるべき点が多々ある。 (5)たとえば、疲労の面からよい補強法であっても、座屈の面からは、よくない補剛法もあるので、両面から検討する必要がある。
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[Publications] Yamada,K and Miki,C: "Recent Research on Fatigue of Bridge Structures in Japan" Journal of Constructional Steel Research. 13. 211-222 (1989)
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[Publications] 大塚久哲、佐賀弘一: "合成I桁の立体解析に基づく変形および部材結合力の特性把握" 構造工学論文集、土木学会. 35A. 889-897 (1989)
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[Publications] 北田俊行、大塚久哲、吉田秀博、明橋克良: "鋼橋二次部材に発生する局部応力の一解析法" 日本鋼構造協会、構造工学に於ける数値解析法シンポジュウム論文集. 13. 105-110 (1989)
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[Publications] 中原俊行、渡辺英一、中井博、黒山泰弘: "実働荷重による合成桁橋の部材力シミュレ-ションについて" 第2回合成構造の活用に関するシンポジュウム講演論文集、土木学会. 2. 29-34 (1989)
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[Publications] 中井博: "都市高速道路橋の疲労損傷事例" 橋梁と基礎. 24. 23-31 (1990)
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[Publications] 三木千寿、妹尾賢一郎、森猛: "鋼橋支承部ソ-ルプレ-ト端に生じた疲労損傷" 構造工学論文集、土木学会. 36A. (1990)