Research Abstract |
分担課題1については,小倉が中心となって実験を行い, あばら筋の形状とその末端のフック定着の仕様,位置を変化させた場合の定着性能と部材としての耐力・変形性能について調査した. その結果, 亀裂発生耐力・降伏耐力には, あばら筋の形状・フックの仕様の影響はほとんどないこと, フック折り曲げ角度・余長は, 夫々大きい程, 定着性能は上るが, とくに有意の差はないこと, 部材の変形性能は部材角1/30程度まで, あばら筋の形状に支配されないこと等が判明した. この結果, SRC部材のあばら筋は, その使用箇所,材の変形等に実用の範囲内に収る制限を設ければ, 形状,フックの仕様等に自由度の高い設計法が得られるものと考えられる. 分担課題2については, 南が中心に施工性の良いL形帯筋を開発し, それによって配筋したSRC柱の曲げ変形性能を実験的に確かめた. その結果, 大変形時には, 従来型,溶接型帯筋によるものより, 耐力低下は大きいものの, 部材角1/40までは有意の差はなく, 実用的な変形範囲内では, 十分に可能性のある方法であることが判明した. 又,柱梁接合部において, 鉄骨に帯筋貫通孔を設けない配筋法を開発し, その性能を解明する実験を予備的に行い, 開発提案した方法が, 主筋拘束上有効であることを確かめた. 分担課題3に関する実験は, 福知を中心に行った. 梁の鉄骨の耐力が, 弱い継手の存在や断面の急変等で部材途中で急激に減小する場合, これを鉄筋によって補強することが可能が否かを確かめるものである. 鉄骨が本来負担すべき応力が, 梁の一部の鉄骨部分の耐力を上まわっても, 急変する部分に主筋を多く施し, あばら筋を密に配すれば, 鉄骨とRC部の応力伝達はスムーズに行われ, 補強が可能であることが判明した. 極端な場合, 鉄骨の曲げ耐力が0の場合でも, これに見合う補強がなされていれば, SRCとしての性能が失われないことが確認された.
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