1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62302049
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浦野 良美 九州大学, 工学部, 教授 (90037698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 勝 九州産業大学, 工学部, 教授 (30069504)
赤坂 裕 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20094112)
石井 昭夫 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (40087276)
片山 忠久 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (80017938)
山崎 均 大分大学, 工学部, 教授 (00038952)
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Keywords | 季間蒸暑地域 / 住宅設計 / パッシブクーリング / 自然冷熱源利用 / 蒸暑気候マップ / 都市熱環境 / 構成要素設計 / 性能評価基準 |
Research Abstract |
本研究は, 季間蒸暑地域における住宅の快適な熱環境形成を図るため, 気候特性や地域熱環境を考慮したパッシブクーリング手法を系統的に整理し, それらを応用したパッシブクーリング住宅の論理的な設計評価法を提案するとともに, その具体的プロセスに関する設計計画パンフレットを作成することを目的としている. 以下に, 本年度に得られた成果を列記する. 1.住宅の開放性と閉鎖性, 冷房と涼房の違い, 日射遮蔽と通風促進による防暑型住宅から積極的な自然冷熱源利用によるパッシクーリング住宅への転換, 夏冬と昼夜における外被熱性能の可変など, パッシブクーリングの基本的考え方をまとめ, 既存のパッシブクーリング住宅の事例を収集した. 2.気温, 日射量, 湿度などのマップを作成するための入力データを, AMeDASおよびSDPを用いて整理した. また, 蒸暑マップを作成するための蒸暑地域指標の考え方をまとめ. 指標作成のための基礎的考察を行った. 3.夏季の都市熱環境に対する水面のオアシス効果を, 池および河川周辺の気温などの分布の実測により調べた結果, 日射量および海風時の風速が大きいほど, 水面が周辺市街の暑熱緩和に及ぼす効果の大きいことがわかった. 4.中層集合住宅の住棟配置と通風の駆動力となる壁面風圧との関係に関する実測結果を基にその風洞再現実験を行い良好な一致を得た. さらに, 容積率を系統的に変化させた風洞模型実験により通風計画上重要な知見を得た. 5.閉鎖型住宅の一つであるエアサイクル住宅のパッシブクーリング手法に関して, 棟換気あるいは妻換気のある通気壁棟と在来断熱棟を実測し, 壁体構成や屋根形態の違いによる夏季の排熱効果を比較検討した. 6.基準ユニットスペースから成る住宅モデルを設定し, 数値ソミュレーションによる種々のパッシブ手法を適用した場合の標準新有効温度SET^*を求め, 各手法の温熱効果を比較した.
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[Publications] 西田勝他: 日本建築学会計画系論文報告集. 382. 60-66 (1987)
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[Publications] 石井米二郎: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 531-534 (1987)
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[Publications] 須貝高他: 日本太陽エルネギー学会第13回研究発表会講演論文集. 129-136 (1987)
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[Publications] 片山忠久他: 日本気象学会九州支部講演要旨集. 9. 13-15 (1988)
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[Publications] 赤坂裕: 日本建築学会九州支部研究報告. 30-2. 117-120 (1988)
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[Publications] 中田聡他: 日本建築学会九州支部研究報告. 30-2. 145-148 (1988)