1987 Fiscal Year Annual Research Report
超微粉砕と界面工学的分離法による高純度石炭微粉の製造
Project/Area Number |
62302052
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八嶋 三郎 東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (90006966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 等 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (90156290)
佐野 茂 一関工業高等専門学校, 化学工学科, 助教授 (20042195)
神田 良照 山形大学, 工学部・化学工学科, 助教授 (40007034)
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Keywords | 微粉砕 / 石炭 / 粉砕助剤 / ハードグローブ指数 / 微粒子 / 炭化度 |
Research Abstract |
(1)粉砕助剤の検討 石炭の微粉砕のための助剤に関しては従来ほとんど検討が行われていない. そこで,セメント工業などで従来使用されて来た助剤の他に,石炭が一種の潤滑性物質であることを考慮して,タルクやグラファイトなどの潤滑性物質の粉砕に用いられる助剤をも含む計50種類の助剤について,石炭の窮粉砕によく用いられるボールレースミルの一種のハードグローブミルを用いて粉砕実験を行い,有効な助剤の選択を行った. その結果,カーボンブラック,ステアリン酸カルシウム,メタノール,フェノール,プロピレングリコール,酪酸などが有効であることがわかった. しかし,これらは粉砕速度を増大させる効果のあるもの,粉砕エネルギーを減少させて粉砕効率を改善する効果のあるもの,および両方の効果を有するものの3グループに分けられ,助剤の作用機構についてはそれぞれ異なるものと考えられる. 現在,粉砕速度論に基づく実験を行って,これらの助剤の作用機構の解明を試みている. (2)石炭の粉砕特性と物性の関係 石炭の最適粉砕システム選択のための基礎資料を得る目的で,石炭の粉砕性(ハードグローブ粉砕能指数)と物性(材料力学的性質および炭化度)の関係について実験的検討を行った. その結果,粉砕能指数と物性の間には明確な相関関係が認められ揮発分の遊離によって炭化の進んだ石炭ほど弾性的になると共に,強度が小さく粉砕性がよいことがわかった. 逆に,揮発分含有率が大きく炭化度の低い石炭ほど塑性的であり,強度も大きく粉砕性も悪いことがわかった. 一般に,塑性的な砕料の粉砕は衝撃粉砕機で行うのが効率的であるとされており,炭化度に応じた粉砕機の選定が必要であることがわかった. また,超微粉砕の基礎資料を得る目的で,4〜40μmの粒子の破壊特性を調べた. その結果,炭化度が大きく弾性的な石炭も4〜7μmの粒子では塑性的となることがわかった.
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