1987 Fiscal Year Annual Research Report
炭素およびヘテロ環カゴ型化合物の合成と特異的機能開発に関する研究
Project/Area Number |
62303004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三角 荘一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40029830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 〓 東北大学, 理学部, 教授 (00004242)
米光 宰 北海道大学, 薬学部, 教授 (60001038)
大木 道則 東京大学, 理学部, 教授 (40011407)
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Keywords | カゴ型化合物 / 高ひずみ化合物 / 多環状化合物 / ヘテロ環 / フォトクロミズム / ホスト・ゲスト錯形成 / 分子力場計算 / グラフ理論 |
Research Abstract |
本研究班を下記の4グループに分けて分担課題の研究を推進している. 1.高歪脂環式カゴ分子班 (1)熱あるいは光開環反応により元のオレフィンに戻るというフォトクロミズムを示すクワドリシクランおよびシクロファン誘導体などの高歪カゴ型分子を合成した. これらは, 熱や光のエネルギーを化学エネルギーに変換して貯蔵できる化合物であり, 高効率化が問題となっている. (2)脂環式カゴ型分子の疎水性を活かすクラウンエーテルを合成し, 現在その錯形成能およびゲスト選択性について検討している. 2.芳香族カゴ分子班 (1)リチウムイオンだけを特異的に取り込み, しかも強い蛍光を発するという特異な機能を有するスフェランド型色素を合成した. (2)内部回転障壁およびπ電子渡環相互作用を検討するためのモデル化合物であるトリプチセンおよびシクロファン類の合成研究が進行している. 3.ヘテロカゴ分子班 (1)窒素, 珪素, 硫黄原子を含むヘテロカゴ分子の合成は, 高い歪によって炭素ーヘテロ原子間の結合が切断されやすいためにしばしば困難に直面してきたが, 班員間での情報交換によって着実な歩みを続けている. (2)窒素原子を含む網目状の多環状化合物を合成し, 包接能を検討している. 4.カゴ分子の理論と設計班 多くの新奇カゴ型化合物の分子力場およびグラフ理論により解析を行った. 思いがけぬ結果には特に合成研究者の注目を集めた. 5.昨年末, 大阪において2泊3日の日程で研究業績発表会を開催し, 情報交換, 討論, 親睦等に多大の成果を得た. 来年度もこの種の討論会を開催する予定である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.ASOH;K.TANI;H.HIGUCHI;T.KANEDA;T.TANAKA;M.SAWADA;S.MISUMI: CHEMISTRY LETTERS. 417-420 (1988)
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[Publications] M.OKI;T.TANAKA;G.YAMAMOTO: CHEMISTRY LETTERS. 1815-1818 (1987)
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[Publications] K.KOBIRO;M.TAKAHASHI;N.NISHIKAWA;K.KAKIUCHI;Y.TOBE;Y.ODAIRA: TETRAHEDRON LETTERS. 28. 3825-3826 (1987)
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[Publications] K.NAEMURA;H.IWASAka+h>chikamatsu: BULL.CHEM.SOC.JPN.60. 4181-4183 (1987)
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[Publications] I.TABUSHI;T.NABESHIMA;K.YAMAMURA;H.FUJITA: BULL.CHEM.SOC.JPN.60. 3705-3711 (1987)
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[Publications] M.HISATOME;M.YOSHIHASHI;K.YAMAKAWA;Y.IITAKA: BULL.CHEM.SOC.JPN.60. 3474-3476 (1987)