1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62303006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 振武 東京大学, 教養学部, 教授 (60011532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 晴彦 横浜市立大学, 文理学部, 助教授 (10094319)
深田 直昭 千葉大学, 理学部, 助教授 (50009601)
築部 浩 岡山大学, 教養部, 助教授 (00144725)
武田 裕行 千葉大学, 理学部, 助教授 (30111412)
井上 佳久 姫路工業大学, 基礎工学研究所, 助教授 (30112543)
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Keywords | 大環状化合物 / クラウンェーテル / 溶媒抽出 / 機能性電極 / 分子認識 |
Research Abstract |
分析化学的機能の発現が期待される新規大環状化合物の合成については,シュウ酸ジエステルとジアミンとの反応による環状ポリエーテル並びにポリアミン配位子(深田),ベンゾインとモノ・ジ・トリ・テトラエチレングリコールジトシレートとの反応による環内に不飽和結合をもつクラウン(井上),フェニル・フリル・ピリジル・キノリル側鎖をもつジアザクラウン(築部),それぞれキラルなビナフチルとペンタエチレングリコールジトシレート誘導体からのキラルクラウン(山口)など,今後の利用開発が有望な多くの成果を得た. それぞれの新規環状配位子における金属錯生成(深田・井上・築部),陽イオン捕捉能(井上・築部),アミノ酸捕捉能(山口),陽イオン輸送機能(築部),アミノ酸輸送機能(山口)などの評価も平行して進められ,多くのデータを得ている. 天然物ポリエーテルカルボン酸型抗生物質の化学構造を官能基導入により化学修飾した数種の誘導体が合成され(鈴木),それらを用いたイオン選択性電極の製作とアルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンに対するイオンセンサとしての挙動,導入された官能基並びにその構造化学的特性との関係が解析された(鈴木). 溶媒抽出挙動との関連においては,数種のクラウン並びにそれらのアルカリ金属イオン錯体の非水溶媒系での導電率測定の結果から,クラウンの構造,溶媒の諸特性定数,共存イオン種等と安定度との関連性が詳細に解析された(武田). 抽出定数と輸送速度との関連いおいて,液体膜による担体輸送をモデルとする速度論的解析が数種の系において成功している(吉田). 溶液化学での最大の問題点とも言える溶液内錯体の構造については,18ークラウンー6バリウム錯体及びカルシウム錯体の溶液X線回折法が試みられ(横山),ほぼ妥当な結果が得られたが, 未解決の問題も残されており,さらに詳細な検討が必要とされよう.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 築部浩: Tetrahedraon Letters.
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[Publications] 鈴木孝治: Journal of Chemcial Society,Chemical Communications. 1987. 932-934 (1987)
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[Publications] 武田裕行: Bullentin of the Chemical Society of Japan. 61. 627-632 (1988)
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[Publications] 武田裕行: Bulletin of the Chemcial Society of Japan. 61. 655-658 (1988)
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[Publications] 新保外志夫;山口智彦: Journal of Chromatography. 405. 145 (1987)
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[Publications] 吉田章一郎: Journal of Coordination Chemistry,Section B.