環境適応ホメオスタシス系における新しい生理活性物質の意義

1987 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62304033
• Research Institution: 佐賀医科大学
• Principal Investigator: 堀 哲郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (00022814)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山下 博 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030841) ; 永坂 鉄夫 金沢大学, 医学部, 教授 (80023646) ; 中山 昭雄 大阪大学, 医学部, 教授 (80022763) ; 佐野 豊 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (00079683) ; 大村 裕 九州大学, 医学部, 教授 (30019517)
• Keywords: 体温調節 / 滲透圧調節 / 摂食代謝調節 / 内在性生理活性物質 / FGF / インターフェロン / ILー1 / アンギオテンシン / ANP / コルチコステロン / グルカゴン / ニューロテンシン / ボンベシン / CCKー8 / VIP

Research Abstract

本研究の目的は, 体温, 水電解質, 摂食, 代謝, 循環など従来個々別々に追求していた研究者間で有機的な協力研究を行い, ホメオスタシス系における新しい生理活性物質の意義を解明する事である.
研究結果:(1)ラットの摂食後, 脳脊髄液中に酸性型FGFが著しく増加する事及び酸性型FGFのIII脳室内投与は摂食量を低下させる事などから, この物貭が内在性摂食制御物質である可能性が明らかになった(木村). (2)2DTAの類似物貭2B40が迷走神経肝臓枝の求心活動を抑制する事(新島)及びブドウ糖摂取及び脳内自己刺激のためのリック行動を抑制するが, リック行動そのものには影響しないので外側視床下部ニューロンが2B40の作用点であるらしい(小野), 外側野ニューロンのオペラント摂食及び脳内白己刺激行動時の活動様式が明らかにされた(小野). (3)in situハイブリダイゼゼーション法によりオキシトシン産生細胞の視床下部内分布と性ホルモン投与による変化が明らかになった(佐野). (4)非ふるえ熱産生亢進にグルカゴンが関与している(黒島).(5)ニューロテンシン, ボンベシン, VIP, グルカゴン, CCKー8の脳室内投与による体温調節反応様式とその機序が明らかになった(永坂). (6)AII及びANPのAV3V, SFO, 視交又土核, 室傍核への作用(山下)とANPによる血液量減少機序及び飲水行動への作用が明らかになった(森本)(7)制限給餌によるコルチコステロソピークに室傍核のNA細胞の活性が関与している(広重)(8)各種体温制御物貭の視床下部温度ニューロンへの作用機序と体温反応との関係(中山)及びインターフォロン, ILー1の温度ニューロン作用機構(堀)が明らかにされた(9)脊髄後角細胞へのNA及び5HTの作用が明らかにされた(入來). (10)アルゴンレーザーによる脳加温による体温調節反応解析法が開発された(小坂). これらの結果は62年12月の班会議(唐津市)で報告, 討議された

Research Products

• [Publications] Yahata,T: Jpn.J.Physiol.37.
• [Publications] Shido,O.;Noda,Y.;Nagasaka,T.: Jpn.J.Physiol.37. 573-583 (1987)
• [Publications] Shido,O.: J.therm.Biol.12. 273-279 (1987)
• [Publications] Kawata,M.;Ueda,S.;Yamashita,H.;Sano,Y.: Arch.histol.Jap.50. 1-14 (1987)
• [Publications] Yamada,H.;Ihara,N.;Sano,Y.: Endocrinol.Japon.34. 319-327 (1987)
• [Publications] Matsuura,T.;Sano,Y.: Cell Tissue Res.248. 287-295 (1987)
• [Publications] Inokuchi,A.;Tomida,Y.;Yanaihara,C.;Yui,R.;Comura,Y.;Kimura,H.;Hase,T.;Matsumoto,T.;Yanaihara,N.: Cell Tiss.Res.246. 71-75 (1986)
• [Publications] Hanai,K.;Kitajima,M.: Comp.Biochem.Physiol.83A. 313-316 (1986)
• [Publications] Nakamura,K.;Ono,T.;Tamura,R.: J.Neurophysiol.58. (1987)
• [Publications] Ono,T.;Nakamura,K.;Nishijo,H.;Tamura,R.;Tabuchi,E.: Advances in the Biosciences (Pergamon Press).
• [Publications] Nagai,M.;Hashimoto,M.;Iriki,M.: The Autonomic Nerv.Syst.23. 219-222 (1986)
• [Publications] Nagai,M.;Iriki,M.: J.Comp.Physiol.B156. 611-616 (1986)
• [Publications] Okuva,S.;Inenaga,K.;Kaneko,T.;Yamashita,H.: Brain Research. 402. 58-67 (1987)
• [Publications] Okuya,S.;Yamashita,H.: J.Physiol.389. 717-728 (1987)
• [Publications] Morimoto,T.: Trans.Menzies Found.14. 77-83 (1987)
• [Publications] Honma,K.;Honma,S.;Hirai,T.;Katsuno,Y.;Hiroshige,T.: Physiol.Behav.37. 791 (1986)
• [Publications] Matsumura,K.;Nakayama,T;Kaminaga,T.: Pflugers Arch.408. 120-123 (1987)
• [Publications] Tamaki,Y.;Nakayama,T.: Pflugers Arch.409. 1-6 (1987)
• [Publications] Hori,T.;Kiyohara,T.;Nakashima,T.;Shibata,M.;Koga,H.: Canadian J.Physiol.Pharmacol.65. 1290-1298 (1987)
• [Publications] Nakashima,T.;Hori,T.;Kuriyama,K.;Kiyohara,T.: Neurosci.Lett.82. 332-336 (1987)
• [Publications] 日本組織細胞化学会編;佐野豊;山田久夫: "組織細胞化学 1987" 学際企画(東京), 140-149 (1987)
• [Publications] 日本組織細胞化学会編;河田光博: "組織細胞化学 1987" 学際企画(東京), 150-164 (1987)
• [Publications] Kosaka,M.(ed,by Onoyama,Y.): "Hyperthermic Oncology'86 in Japan" MAG BROS.INC., 27-30 (1987)
• [Publications] 中山昭雄;入来正躬編;堀哲郎: "新生理科学体系 第22巻" 医学書院, 188-208 (1987)
• [Publications] 堀哲郎(編): "環境適応ホメオスタシス系における新しい生理活性物質の意義 昭和62年度科学研究費補助金(総合研究A)研究成果報告書" 24 (1988)