1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62304047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真鍋 禮三 大阪大学, 医学部, 教授 (00028333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋谷 忍 慶応大学, 医学部, 助教授 (10051286)
江口 吾朗 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80022581)
北野 周作 日本大学, 医学部, 教授 (90058727)
浜野 孝 大阪大学, 医学部, 助手 (40172986)
下村 嘉一 大阪大学, 医学部, 助手 (20162737)
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Keywords | 屈折矯正手術 / HLA / 眼球保存液 / 内皮移植 / 難治性角膜潰瘍 |
Research Abstract |
1.ウサギ眼を用いた屈折矯正角膜移植術式の修得を行った. また,移植提供眼(アイバンク眼)を用いて,クライオレースによる角膜レンズの試験的作成を試み,既に3例の臨床症例を経験した. より多くの移植提供眼(アイバンク眼)を用いて,臨床症例を重ねる予定である. 2.拒絶反応を起こす確率の極めて高い症例について組織適合性抗原(HLA)を検索し,現在の時点で10症例のHLAタイピングを施行した. 提供眼とのHLAマッチングを行った移植例は未だ経験していない. 今後,多施設間の密接な連絡の上で,移植例を増やす予定である. 3.新しい眼球保存液(EPーIII)では,研在使用中の眼球保存液EPーIIに比較して,保存中の家兎角膜厚の増加は有意に抑制され,EPーIIIはEPーIIより優れた眼球保存液である可能性が高いと考えられた. まだヒアルロン酸ナトリウムの角膜内皮に対する影響について調査した結果,その内皮保護作用を認めた. さらに保存角膜のviabilityをスヘキュラーマイクロスコープ,レドックスフルオロメーター,NMRを用いて評価した. 4.角膜内皮移植の可能性を検討するため,鶏,猿,人を材料として,角膜内皮の形成と内皮細胞の増殖特性を解析調査した所,内皮細胞の増殖には細胞相互の一定の接触が必要であること,また1mm^2あたり1000〜1800個の細胞密度で,最も高い増殖活性を発現する事が明らかになった. 現在,内皮細胞の増殖を促す諸因子を探索検討中である. 5.難治性角膜潰瘍のモデルの作成は困難で,現在,三叉神経節後繊維切断モデルおよびアドレナリン作働性薬物のイオントフォレーゼを使用したモデルを作成中である. 6.大阪にてこれまでの研究成果の総括を行った. (63年2月13日)
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