Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲次 敏郎 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (70015220)
谷村 晃 大阪大学, 文学部, 教授 (90079608)
水野 敬三郎 京都芸術大学, 美術学部, 教授 (50015228)
西田 秀穂 実践女子大学, 文学部, 教授 (30004021)
吉岡 健二郎 京都大学, 文学部, 教授 (00025040)
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Research Abstract |
本研究は, 現在わが国において, 科学・技術域に比し, 著しくその文化・社会機能の重要性を看過されている芸術領域につき, これを是正すべく, 「重点領域研究」を提起申請する準備研究である. 現代社会はまさに科学・技術発展をふまえ繁栄するが, そこになお否みがたい自然破壊や人間荒廃への傾斜の在することは, いつに知性の測りがたい深さでの人間性調和の歪み, つまりは感性の経視によると言わねばならない. そこにこれまで見落されてきた, 芸術と科学・技術との本質的関わりを再検討し, 人間性種かな文化・社会基盤を快復すべく, 芸術的感性固有のすぐれた直観的創造力, 総合的構思力, 人間的共感力の活性化が望まれる. すでに今世紀中項来, このことは西欧では美学・芸術学分野において, 芸術の文化・社会機能への着目・研究として展開されてきた. Fの形響をうけ, わが国でも芸術研究の個別から譜分野では高い学的水術の研究がみられるが, 研究体制全体からは諸芸術の理論的・歴史的研究自体が分断され, 整合性ある芸術研究全体としては, 遺憾ながらなお成長期に止まっていると言える. この反省から, 第13期日本学術会議に結成された「芸術学研究連絡委員会」の共同討議を機に, 芸術関係の主要的学会が重点領域研究の準備体制を整え, 昭和62年度総合研究(B)はその研究を結実させるに至った. すなわち,3回にわたる10学会の指導的研究者による合同会議を経て, 「生活環境を芸術の相互浸透」の課題は, 基本構想として, a)伝統と現代社会, b)表現とテクノロジー, c)芸術と現代環境, d)現代における芸術受容, e)芸術と非芸術の5主要項目に組成され, さらにその研究組識と研究展開について決定を見るに至った. その詳細は添付の重点領域研究申請書を参照されたい.
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