1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62307003
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
向山 光昭 東京理科大学, 理学部, 教授 (60016003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 辻明 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (00016049)
三角 荘一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40029830)
櫻井 英樹 東北大学, 理学部, 教授 (70025873)
奈良坂 紘一 東京大学, 理学部, 教授 (50016151)
桑嶋 功 東京工業大学, 理学部, 教授 (50016086)
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Keywords | 反応制御 / 複合分子系 / 複合系の高次制御 / 分子間相互作用 / 分子認識 |
Research Abstract |
伝統的な有機化学の基本は, 比較的分子量の小さい化合物を対象として, それらの構造, 合成および反応を究明することが主体となっていたが, 今日的レベルでの取り組みでは, より複雑な分子, あるいはいくつかの分子が作り出す複合系を究めることが必須な課題であり, これらの解明に向けて強力に研究を進めることが緊急の問題になっている. 本研究においては, 各種分子間相互作用を基盤とする有機化学における新しい研究分野の開拓ならびにこれらを追求する手法の具体的展開に向けて, 有機化学全般にわたる総合的な見地から問題点の調査, 解明を試みた. 反応有機化学の分野では, 無機化学・有機化学という従来の枠を越えて, 周期表に示される入手可能な全元素に係わる種々の物性および反応について統一的な解釈が求められており, 不安定化学種の反応制御も重要なトピックスとして堀り下げた研究の必要性が指摘された. 合成の分野においては, 付加価値の高い複雑な有機化合物を効率よく得るために, 立体化学を含む反応の高度な制御の必要性が, 未だ残された重要な課題として指摘され, 異種分子間の相互作用(分子認識)を理解し, さらにこに考え方を生かしてユニークな合成手法を開発することについて多くの提案がなされたいる. 構造および理論有機化学の面からは, 溶媒と溶質の相互関係など, 反応系中における複合分子系の相互作用の理解が, 化学反応の解明と制御に不可欠であることが指摘され, 具体的にチャレンジする方策が示されている. 以上, 総括的にまとめると, 分子間相互作用解明に関する新しい研究手法さらにはそれら相互作用を活用する新しい反応・合成手法の開発に向けて, 複合系の高次制御に基づく新しい知見を踏み台にして, 総合的に, しかも新しい概念の展開を軸にこれらの重要な問題解決に取り組む必要性が強く認識された.
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Research Products
(12 results)
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[Publications] M.Hayashi: Chem. Lett.1975-1978 (1987)
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[Publications] T.Mukaiyama: chem. Lett.2169-2172 (1987)
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[Publications] Shu Kobayashi: Chem. Lett.91-94 (1988)
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[Publications] E.Nakamura: J. Amer. Chem. Soc.109. 8056-8066 (1987)
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[Publications] K.Narasaka: Chem. Lett.2073-2076 (1987)
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[Publications] K.Narasaka: Chem. Lett.2139-2142 (1987)
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[Publications] K.Narasaka: Chem. Lett.2409-2412 (1987)
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[Publications] M.Kira: Che. Lett.353-356 (1988)
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[Publications] M.Sawada: J.Org.Chem.53. 191-194 (1988)
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[Publications] M.Sekine: Synthesis. 1119-1122 (1987)
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[Publications] M.Sekine: Tetrahedron. 3395-3407 (1987)
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[Publications] H.Tanimura: Tetrahedron Lett.29. 577-578 (1988)