1987 Fiscal Year Annual Research Report
第22回国際木材保存会議におけるシンポジウム等の企画に関する討議
Project/Area Number |
62308006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西本 孝一 京都大学, 木材研究所, 教授 (20027155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 祐嗣 京都大学, 木材研究所, 助手 (70151686)
角田 邦夫 京都大学, 木材研究所, 助手 (30127104)
高橋 旨象 京都大学, 木材研究所, 助教授 (10027162)
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Keywords | 国際木材保存会議 / 木材の微生物劣化 / 木材の虫害 / 木材保存剤 / 木林腐朽菌 / シロアリ |
Research Abstract |
昭和66年に日本で開催される第22回国際木材保存会議を盛大で活発なものとするため, 国内の主要な木材保存研究者14名により, まずこの分野の最近の研究動向を詳細に調査した. その結果をもとに上記会議におけるシンポジウムまたは特別講演の課題, 話題提供または講演の候補者等について討議した. 研究動向調査より, 以下の項目が候補としてあげられた. これらの研究現況の概要は次の通りである. 1.木材の微生物劣化:もっとも関心が持たれているのは, 白色腐朽菌によるリグニンの分解であり, ペルオキシダーゼの反応機構, 水酸化ラジカルの関与, 脱メトキシル作用についての研究が多い. また, リグニンをほとんど分解しない褐色腐朽菌が, どのようにして木材中の多糖類を選択的に分解できるのかについてもいくつかの説が提唱されている. 2.木材の虫害:シロアリについての研究がもっとも多く, とくに信頼性のある試験方法の確立に関心が高い. 問題点として, 供試シロアリの種類, 供試コロニーの履歴, 供試個体数(試験容器内密度), 試験結果の統計的分析法などがあげられている. シロアリ被害防止では薬剤による土壌処理が行われるので, 環境への影響を正確に把握する方法にも関心が向けられている. 3.木材保存剤の微生物分解:既存ならびに新規の薬剤の活性スペクトルと解毒機構を, 微生物の生理的性質との関連で研究しようとする方向が注目される. 4.木材保存剤の性能評価:室内試験結果と野外または実地試験結果との関連づけは, 以前から重要な関心事であり, 薬剤の耐候性を経時的に把握するための促進劣化法, 腐朽に直接関与しない微生物の薬剤への作用等が検討されている. 重要な研究報告の抄録, 分野別の研究動向のまとめと見通し, 推進すべき国際共同研究の提案等については, 現在別途に研究成果報告書を作成中である.
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