1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62420009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
毛利 信男 東京大学, 物性研究所, 教授 (40000848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 周輔 北海道東海大学, 教授 (30056311)
村山 千寿子 東京大学, 物性研究所, 教務職員 (80174316)
高橋 博樹 東京大学, 物性研究所, 助手 (80188044)
家 泰弘 東京大学, 物性研究所, 助教授 (30125984)
八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20126189)
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Keywords | 低温超高圧 / 超高圧誘起相 / 酸化物超伝導 / 磁性と圧力 / 高圧下の結晶構造 / ヘビ-フェルミオン / 有機超伝導と圧力 / 低次元物質と圧力 |
Research Abstract |
1.キュ-ビック・アンビルを用いた新しい低温超高圧発生装置の完成によって8GPaの圧力下で4.2Kから室温までの精密な電気抵抗測定が可能となった。多くの酸化物超伝導体の圧力効果の測定を行った結果、一つの新しい事実が見い出された。即ち、超伝導転移温度の圧力効果は5配位と6配位の銅原子を含む物質で正で大きく、4配位の銅原子のみをもつ物質ではほとんどゼロであることがわかった。この結果から我々は頂点にある酸素原子が超伝導転移温度の圧力効果に重要な役割を果していると推論した。さらに8GPaまでの実験によってNdCeSrCuO系で転移温度が2倍も上昇すること、YBa_2Cu_4O_8では常圧下で80Kの転移温度が100Kを越えることを見い出した。これらはいずれも頂点酸素と銅との距離が超高圧下で近づき、キャリア-がCuO_2面に移動したことによるものと解釈でき、超伝導の機構解明に重要な事実を提供した。 2.超高圧下のX線回折実験を多くの酸化物超伝導体について行った。その結果、体積弾性率はほヾすべての物質で同程度であることが判明した。この事実は超伝導の性質が局所的な構造、即ち局所的な電子状態で決定されていることを示唆している。 3.低次元物質であるグラファイトとそのインタ-カレ-ション化合物の電気的、磁気的性質の高圧効果を調べた。いずれも加圧によって顕著な変化が見い出された。 4.有機超伝導体βー(BEDTーFFT)_2I_3の構造転移と転移温度について高圧効果を調べた。 5.ヘビ-フェルミオン系物質であるYb_4A_<53>、CeSb、CeBiについて電気抵抗の圧力効果を測定した。Yb_4A_<53>では圧力でキャリア-が大きく変化していると解釈できる結果を得た。又CeSb、CeBiでは常圧下でみられない高圧誘起現象が見えた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] C.Murayama: "Anomalous absence of pressure effect on transition temperature in the electron-doped superconductor Nd_<1.85>Ce_<0.15>CuO_<4-y>" Nature. 339. 293-294 (1989)
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[Publications] S.Katano: "Pressure effect on the antiferromagnetism in La_2CuO_<4-y>" J.P.S.J.58. 3890-3893 (1989)
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[Publications] T.Matsumoto: "Effect of matnetic field and high pressure on superconductivity of new high Tc oxide Bi-Sr-Ca-Cu-O" J.J.A.P.to be published.
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[Publications] N.Tanahashi: "The strontium content dependence of pressure effect in(La_<1-x>Srx)_2CuO_4" J.J.A.P.28. L762-L765 (1989)
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[Publications] Y.Iye: "Effect of pressure on the high-magnetic-field electronic phase transition in graphite" Phys.Rev.B,to be published.
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[Publications] S.Kagoshima: "A change of superstructure and an associated rise of the superconducting critical temperature in the organic superconductor beta-(BEDT-FFT)_2I_3" Solid State Communications. 69. 1177-1180 (1989)