1988 Fiscal Year Annual Research Report
高珪素鉄合金における不規則生成とその磁気異方性に及ぼす低減効果
Project/Area Number |
62420018
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荒井 賢一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40006268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 和志 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (10005580)
山口 正洋 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (10174632)
竹内 登志男 仙台電波工業高等専門学校, 教授 (70006245)
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Keywords | 高珪素鉄合金 / 急冷薄帯 / 規則一不規則変態 / 保磁力 / 磁気異方性 / 磁歪 |
Research Abstract |
本研究は、珪素を約6wt%含む高珪素鉄合金を急冷することによって生ずる結晶磁気異方性の変化の起因を明らかにし、磁気異方性の低減化法を確立することを目的としている。このうちとくに本年度は下記の事項の研究を行った。 (1)前年度に引き続き高珪素鉄合金を種々の温度、及び速度で急冷し、A2型不規則相及びB2型とDO_3型規則相の生成割合と磁気異方性、磁歪及び磁化との関係を明らかにする。 (2)高珪素鉄合金薄帯に第三元素を添加し、その磁気特性に及ぼす効果を調べる。 上記研究計画に対し、本年度得られた主な知見及び成果は以下の通りである。 高珪素鉄合金単結晶の結晶磁気異方性定数K_1は、不規則相の生成とともに増大し、たとえばSi量が5.98%組成では1100℃から水中急冷することにより1/4程度まで減少することが明かとなった。またSi量がそれ以上含まれる組成領域では焼入れ効果はSi量の増加とともに小さくなり、7.75%Si量組成では全く見られない。一方磁歪に関しては、Si量が4.86〜7.75%領域において焼入れ効果が見られ、λ_<100>が正方向に、λ_<111>が負方向に変化することが見い出された。この傾向はSi量が少ないほど大きいことも明かになった。 第三元素の添加に関しては、たとえばMoの添加は軟磁気特性の向上に極めて効果的であり、0.5〜1.0%の添加により抗磁力は60mOe以下、磁束密度B_<10>は13.5〜14.0kGを示した。また1100〜1250℃の広い熱処理温度範囲において(100)[0kl]結晶粒集合組織が実現することが明かとなった。
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