1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62420027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平田 賢 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (70010775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠木 伸英 東京大学, 工学部, 助教授 (80107531)
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Keywords | 伝熱工学 / 強制対流沸騰熱伝達 / サブクール沸騰 / 狭隘流路 / 高質量流束 / 高圧条件 / 遷移沸騰 / 膜沸騰 |
Research Abstract |
狭隘流路における強制対流サブクール沸騰のDNB点近傍の挙動をさらに明らかにするため、温度測定系に改良を加え、昨年度の実験を継続した。以下に実験条件を示す;管内径D=0.5〜3.0mm、圧力Ps=1.1〜2.4Mpa、質量流束G=1〜4.5x10^4kg/m^2s、サブクール度ΔTsub=50〜80K、管長管径比20〜50。本年度の実験では管壁温度が約300℃(過熱度110〜150K)となった時点で加熱電流を自動的に遮断し、多くの実験データの健全性が得られるようになった。 昨年度の研究成果においてD=0.5〜1.0mm,G>10^4kg/m^2sの領域で、沸騰曲線上の通常の極大点であるDNB点から、更に熱流束とともに壁温が数十度上昇する範囲で、比較的安定な沸騰現象を確認したが、これが以下の原因によることが今年度の実験より判明した。即ち、(1)質量流束の増大、(2)圧力の増大、(3)管内径の減少、とともに、膜沸騰域の熱伝達率が増大し、DNB熱流束と等しい熱流束をより少ない過熱度で達成することができるためである。つまりDNB点で温度跳躍を起こす時に、膜沸騰域での熱伝達率が高いために温度跳躍が小さくなる。そして一旦膜沸騰に遷移した後、熱流束を低下させると、DNB熱流束よりも明確に小さい値になるまで膜沸騰を維持し、MHF点に近付いた後核沸騰に復帰する。また更に膜沸騰域の熱伝達率が上昇する((1)〜(3)の傾向を強める)と、DNB点での過熱度に対する核沸騰熱伝達率を(仮想)膜沸騰熱伝達率が上回り、温度跳躍のない連続的な沸騰曲線が得られることが明らかになった。本年度のもう一つの柱である二重円管内沸騰流可視化実験は、曲率の影響を排除することを考え、幾何形状を並行平板に変更して、実験装置を設計・製作した。研究計画にやや遅れがあり、現時点ではまだ実験の準備段階であるが、来年度初頭より実験を開始できる見通しである。
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Research Products
(2 results)