1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62420047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀 茂徳 大阪大学, 工学部, 教授 (70028926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐治 重興 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029072)
柴柳 敏哉 大阪大学, 工学部, 助手 (10187411)
古城 紀雄 大阪大学, 工学部, 講師 (50029188)
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Keywords | 超塑性変形 / 粒界すべり / Σ値 / エレクトロンチャネリングパターン法粒界性格 / CuーBe合金 / 粒界反応析出 / 結晶粒微化 |
Research Abstract |
はじめに微細結晶粒超塑性における粒界すべりを個々の結晶粒界について、走査顕微鏡内でinーsitu観察した。試料としてPbーSn共晶合金を用して微細二相組織とし、室温引張によって超塑性が出現することを利用した。その結果、変形応力のひずみ速度感受性指数が高い引張条件、すなわち超塑性条件下では、粒界すべりは粒界面と引張軸との間の角度が大きな粒界ほど、またPbーSn異相界面よりもPbーPbまたはSnーSn界面において顕著にみられた。エレクトロンチャネリングパターン法で求めたΣ値については、Σ値の低い対応粒界において粒界すべりが困難であった。Σ値の高いランダム粒界においては粒界すべりが生じた。しかしランダム粒界でも粒界すべりの生じない粒界も存在したので、粒界すべりは結晶粒の方位差Σ値のみでなく粒界構造にも関係することが考えられた。粒界すべり速度について検討したところ、個々の粒界によって値は異なるが変形量によらずほぼ一定の値を示すことが知らされた。 つぎにCuーBe合金について粒界反応析出を進行させ、粒界反応析出が全く進行しない粒界と著しく進展する粒界が存在することを見出した。そして前者の粒界についてΣ値を測定した結果と対比したところ、Σ値が低い粒界が粒界反応析出の進行しにくいことが知られた。しかし長時間時効しても粒界反応析出の進行しない粒界のなかにもランダム粒界が存在した。これについては、さらにくわしい観察を続けている。 つづいて過飽和CuーBe合金を時効し、面積率20%程度粒界反応析出させ、これを再び高温単相域に加熱した。この加熱装置は本年度購入調整されたものである。これによって粒界反応析出した組織は再固溶し、単相組織の結晶粒は微細となった。すなわち過飽和固溶体の加熱サイクルによって微細結晶粒をうることができ、この結晶粒微細化機構を明らかにした。
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[Publications] 古城紀雄: Transactions of J.I.M. 30. 27-33 (1989)
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[Publications] 堀茂徳: 軽金属. 38. 787-791 (1988)
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[Publications] 柴柳敏哉: 日本金属学会誌. (1989)
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[Publications] 堀茂徳: 伸銅技術研究会誌. (1989)
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[Publications] 春名匠: 日本金属学会誌. (1989)