1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62420049
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊地 靖志 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (90005405)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 敏雄 大阪大学, 溶接工学研究所, 助手 (00107096)
池内 建二 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (10030058)
|
Keywords | チタン合金 / 時効硬化 / 析出 / 溶接 / 摩擦圧接 / ジルコニア / 炭化ケイ素 / ニッケル |
Research Abstract |
1.優れた冷間加工性と時効硬化特性をあわせ持ち、宇宙・航空材料として近年注目されている、準安定β型Tiー15Vー3Crー3Alー3Sn合金の溶接熱影響による材質変化を調べ、その原因と改善法について、金属組織学的に検討を加えた。その結果、溶接熱によって、β単相温度域に加熱された部分において、本合金の強化相であるα相析出粒子が固溶し、著しい軟化が生じた。この軟化は、溶接後の時効処理によって回復されるが、時効後の硬さは溶接ボンド部に近づくほど上昇し(母材部より硬くなる)、溶接熱履歴によって時効挙動が著しい影響を受けることが明らかとなった。この原因について検討するために、β単相領域の種々の温度からの水焼入れによって溶体化処理を行った結果、溶体化温度の上昇と共に、時効処理によるα相の析出速度および析出量が増加し、これに伴って硬さの増加速度および最高到達硬さが高くなることが分かった。また2段時効や時効前の冷間加工が、α相析出の核を導入し、α相析出と硬さの上昇を促進することも分かった。 2.セラミックスと金属との摩擦圧接の可能性を調べるために、高い強度と耐熱衝撃性を持つSiCおよび部分安定化ZrO_2をNiに摩擦圧接した。接合性の改善のために、Al、ZrおよびNbなどの活性金属箔をインサ-ト金属として適用したが、Al以外の場合は、継手は圧接直前に破断するか、あるいは残留熱応力に起因する割れが接合部に形成された。Alインサ-ト金属を用いた場合は、SiCおよびZrO_2とNiとの継手のいずれの場合も、割れのない継手が得られ、引張強さは、摩擦時間の増加と共に減少し、アプセット圧力の増加と共に上昇した。このような継手強さの変化は、接合界面における密着面積の変化によって説明された。いずれの継手も、拡散接合やろう付けと比べて遜色のない引張強さが得られた。
|
-
[Publications] 池内建二: "セラミックスと金属との固相接合におけるインサ-ト金属の効果" 溶接学会論文集発表予定.
-
[Publications] 黒田敏雄: "β型チタン合金溶接部の時効特性" 溶接学会論文集発表予定.
-
[Publications] T.Kuroda: "Microstructure in Weld Heat-affected Zone of Beta Titanium Alloy" Trans.JWRI. 19. (1990)