1988 Fiscal Year Annual Research Report
米のポストリーベスト新技術開発に関する研究ー精米流通方式による生玄米処理技術の開発ー
Project/Area Number |
62420050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 律也 京都大学, 農学部, 教授 (30026463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 清和 京都大学, 農学部, 助手 (60026581)
加藤 宏郎 京都大学, 農学部, 助手 (70026566)
池田 善郎 京都大学, 農学部, 助教授 (50026465)
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Keywords | 米 / 収穫後処理技術 / 殻物乾燥 / 籾すり / 殻物選別 / 精米 / 食味 |
Research Abstract |
62年度に整備した食味計と諸計器を使用し、米の高品質化と低コスト化を前提に、生籾の脱ぷ、乾燥・選別、精米の新技術について検討を加えた。その結果は次のとおりである。1.生籾脱ぷー水分偏差の大きい生籾は、高水分域の籾が脱ぷ時に損傷を受けやすい。この防止策として収穫直後に予措乾燥処理することにより対処できる。予措乾燥には通風式の混合貯留乾燥形(MPD)を試作し、実験の結果、品質向上に有効であることが判明した。2.玄米乾燥ー籾と玄米乾燥を対比すると、玄米は乾燥抵抗となる籾殻がないため乾燥速度が非常に早い。玄米乾燥の容積は籾の1/2に減少し、かつ除去水分量が約72%に減少するので、乾燥機を高性能化することができる。しかし、胴割れの発生が容易となるので、常温通風かヒートポンプによる除湿乾燥法をとる必要がある。3.立毛乾燥ー収穫は形質を重視して出穂後35〜40日を目標に行われるが、未熟米の混入が多い。従来よりも1〜2週間晩刈りすると、立毛中に乾燥が行われ機械乾燥時の除去水分量が減少するばかりか、完熟米が増大するので、収量増と食味の向上につながる。4.選別操作ー整粒表現の米検査はあいまいで、厚さ選別法が採用されているが、食味との関係が不明確であった。厚さ1.9mm以上の完熟米が多いほど食味が向上することが明らかとなったので、立毛乾燥と厚さ選別の併用により品質が高められる。5.精米操作ー脱ぷ後の玄米に混入する籾は、精米時に簡単に脱ぷ精白される。10%以内の籾混入は白度や歩留りに影響しないので、籾すり機の万石部は不用となり、低コスト化に著しい効果がある。6.新しい知見ー無洗白米貯蔵流通を前提とすると、本研究で明らかにしつつある新技術は、ホストハーベストのシステムを大幅に改善できるので、低コスト化への期待が大きいと思われる。
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[Publications] 山下律也,S.J.Omar,後藤清和: 農業機械学会第46回年次大会講演要旨. NO.46. 171 (1987)
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[Publications] 山下律也,S.J.Omar,後藤清和: 農業機械学会第47回年次大会講演要旨. NO.47. 233-234 (1988)
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[Publications] 山下律也,S.J.Omar,後藤清和: 農業機械学会第48回年次大会講演要旨. NO.48. (1989)
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[Publications] 山下律也,S.J.Omar,後藤清和: 農業機械学会誌. 51. (1989)
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[Publications] 山下律也,S.J.Omar,後藤清和: 農業機械学会誌. 51. (1989)