1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62430003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小中 重弘 北海道大学, 理学部, 教授 (50000849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江川 徹 北海道大学, 理学部, 助手 (50201364)
井川 駿一 北海道大学, 理学部, 助教授 (90001841)
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Keywords | 気体電子回折 / フラッシュランプ / マルチチャンネル測光システム / 時間分解 / 光分解 / 短寿命 化学種 / 最低励起三重項状態 / 分子構造 |
Research Abstract |
1前年度までの段階では電子ビ-ムの周囲に余分なかぶりが現れるという問題があったが、それに対して以下のような対策を施した。 ・電磁レンズ手前にアパ-チャ-(径0.7mm)を設置した。 ・電磁レンズを新たに製作してレンズにスリットやアパ-チャ-を装着できるようにした。 ・電磁レンズとカメラ部の間にスリット室を設け、スリット(径1mm)を置いた。 その結果、かぶりの少ないきれいなビ-ムを得ることができた。また、新たに製作した電磁レンズの収束作用も良好であった。アパ-チャ-、スリット類を取付けた状態でのビ-ム電流は約0.4μAであった。 2装置にフラッシュランプを組み込んで真空中で発光試験を行なった所、通常の測定を行なう程度の真空度においては大気中と同様に安定して発光した。その際、ランプに加わる高電圧による電子ビ-ムへの悪影響は認められなかった。 3基本的なテストとして、安定分子の回折パタ-ンの測定を行なった。試料はCCl_4とCS_2を用いた。マルチチャンネル測光システムをゲ-トモ-ドでなく連続モ-ドにして測定した所、写真乾板法での測定よりも短時間で再現性の良いデ-タが得られた。ただし、本研究で写真乾板に代わるものとして使用しているプラスチックシンチレ-タ-(プラシンチ)には以下のような問題があることがわかった。 ・石英の基板上に薄いプラシンチを貼り付けたものは、貼り合わせ面の伸縮で変形し、回折像が歪む。 ・基板なしでやや厚目のプラシンチ(厚さ2mm)を使用すると、プラシンチが散乱電子で帯電する。 これらの問題を解決し、また、フラッシュランプの強烈な光から測光システムを守るために、厚さ2mmのプラシンチの表面にアルミコ-ティングを施したものを使用することにした。 4今後はこのシステムを使って、CBrCl_3の光分解によるCl_3C・ラジカル、ビアセチルの三重項状態、等の回折像を測定し構造についての知見を得る予定である。
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