1989 Fiscal Year Annual Research Report
ビ-ム励起・誘電加熱による粉体の焼結・溶融に関する速度論的研究
Project/Area Number |
62430021
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
外山 茂樹 名古屋大学, 工学部, 教授 (50115606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 和典 名古屋大学, 工学部, 助手 (50210034)
森 英利 名古屋大学, 工学部, 助手 (10144130)
中村 正秋 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30023279)
神保 元二 名古屋大学, 工学部, 教授 (80022995)
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Keywords | 焼結 / 溶融 / 粉体の充てん構造 / X線CT法 / レ-ザ-加熱 / 炭酸ガスレ-ザ- |
Research Abstract |
本年度は、レ-ザ-による溶融・焼結過程の測定とともに、画像解析装置による焼結体の形態学的観察を行った。 1.レ-ザ-による溶融・焼結過程に関しては、金属のように比較的融点の低い試料を用いた場合には、溶融と同時にかなりの蒸発が認められ走査電子顕微鏡観察によって超微粒子の形状および粒子径分布を測定した。得られた粒子は分子の凝集体であるので、ブラウン凝集を仮定し、ポピレ-ション・バランス式を解いて粒子径分布を求め、実測値と比較したところ、かなり良い一致が見られた。 2.レ-ザ-による溶融・蒸発過程の温度変化に関しては、相変化を伴う熱伝導方程式を数値解析し、測定結果との比較を試みた。この結果、レ-ザ-のように照射面積が小さく、点熱源とみなされる場合には、周囲への熱伝導速度に比べて熱源付近の蓄熱速度が大きく、温度上昇も急で、溶融・蒸発する様子をよく表わすことができた。 3.焼結体の断面を顕微鏡で観察し、焼結による粒子境界線の変化の様子を画像解析装置を用いて解析した。焼結体の構造は、原料粉の粒度や成形圧および焼結温度による影響を受けるので、これらの条件を変えつつ、さらに定量的評価方法を検討していく予定である。 4.粒子充てん構造の測定法として、近年医療用として普及がめざましいX線CT法を粒子充てん層の空隙率分布の測定に応用した。従来、充てん容器付近から中心に向って空隙率が振動しながらしだいに一定値に収束する分布をとると言われているが、本X線CT法による測定によっても裏付けられ、本法が粒子充てん構造の解析に有用な測定手段であることを認めた。 5.本年度用いたレ-ザ-は、連続発振式炭酸ガスレ-ザ-であるが、今後は、パルス発振式のものも用い、さらに検討する予定である。
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[Publications] Nakamura,M.: "Measurement of Void Fraction Distribution in a Packed Bed by X-ray CT Technique" J.Chem.Eng.,Japan. 23. (1990)
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[Publications] 村瀬和典: "円柱及び球体間に付着する液滴形状の数値解析" 化学工学論文集. 16. (1990)
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[Publications] 外山茂樹監修,中村正秋ら編集: "機能性粉粒体" 信山社サイテック, 450 (1990)