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1987 Fiscal Year Annual Research Report

農地開発における土壌問題ー土壌悪化機構の解明と対策

Research Project

Project/Area Number 62430022
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

久馬 一剛  京都大学, 農学部, 教授 (80027581)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 桜井 克年  京都大学, 農学部, 助手 (90192088)
岡川 長郎  京都大学, 農学部, 溝師 (00093211)
高橋 強  京都大学, 農学部, 助教授 (80021707)
丸山 利輔  京都大学, 農学部, 教授 (90026451)
Keywords農地造成 / 干拓地土壌 / 酸性硫酸塩土壌 / アルカリ土壌化 / 石膏施用によるアルカリ土壌の改良 / パイライト含有推積物 / 治海土壌の脱塩過程 / カラムによる土壌生成のモデル実験
Research Abstract

3年計画の初年度として,本年度は干拓造成農地における土壌問題,主として酸性化と塩害の問題をとりあげた. 以下主要事項を箇条書きにする.
1.酸性化問題:汽水環境下で底質中に蓄積したパイライト(FeS_2)が,干拓によって酸化され,硫酸を生ずるのが酸性化の理由であるが,この硫酸を洗滌する過程で,種々の養分元素の洗脱も起こる. したがって本研究では,酸性化過程の追跡と,その間の養分元素の挙動の解明を目的とする.
(1)島根県中海干拓地損屋利区の下層土を供試した. ガラスカラムに充填した土壌を定期的に水で洗滌して,浸出液を捕集し,浸出後の土壌と共に各種分析に供試した. 処理としては常時湛水区と,畑状態区とを設けた.
(2)常時湛水区では洗滌によって水溶性塩類の洗脱が起こったほかは,ほとんど変化が認められなかった. 畑状態区では水溶性塩の洗脱に続いてパイライトの酸化が進行し,浸出液,土壌とも強い酸性を示すとともに,ジャローサイト(KFe_3(OH)_6(SO_4)_2)が蓄積した.
(3)この酸性化に伴ってCa,Mg,Kなどには再度洗脱のピークが出現した. またMn,Zn,Cuなどの微量必須元素も酸性化による溶出ピークを示した.
(4)浸出液,土壌とも酸性化のピークを過ぎると緩慢にpHの上昇を示した. しかしジャローサイトの加水分解を伴っていると思われ,土壌pHは4以上に上らなかった.
2.塩害問題:高塩分状態から洗滌により脱塩してゆく過程で,塩濃度が底下し,交換性Na含量(ESP)が高い時期を径過すると思われる. この時期には土壌粘土の分散性が高まり,その結果排水阻害など物理性不良が問題となる.
(1)岡山県笠岡湾干拓利の下層上(パイライトを含有せず)を供試し,上記と同様カラム実験を行った. 処理として石膏(CaSO_4)混含と上置区を設けた.
(2)実験は目下進行中である.

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Published: 1989-03-30   Modified: 2016-04-21  

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