1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62430287
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
幕内 博康 東海大学, 医学部, 講師 (80095645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三富 利夫 東海大学, 医学部, 教授 (20055809)
宋 吉男 東海大学, 医学部, 助手 (50196995)
町村 貴郎 東海大学, 医学部, 助手 (20190382)
杉原 隆 東海大学, 医学部, 助手 (50147138)
中崎 久雄 東海大学, 医学部, 講師 (10056145)
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Keywords | 実験食道癌 / 食道微小癌 / 色素内視鏡 / DNAーhistogram / 食道癌の発育 |
Research Abstract |
1.ビーグル犬にENNGを投与し, 発癌に成功した. 多発小病巣を150以上得られた. 2.小病巣の内視鏡観察を行いさらにルゴール,トルイジンブルー染色による色素内視鏡診断,拡大内視鏡観察を行った. 3.発癌過程を経時的に内視鏡観察し, 全く平担で何もなかった粘膜面から, 極く微小な発赤が出現し,2〜3mmのびらん面を形成,3〜4か月かかってゆっくりと増大し,次第に深達度も上皮内から粘膜固有層へ浸潤,サイズも約1.5cmへと発育した. 4か月頃から周囲粘膜の引きつれや, びらん面の凹凸不整が出現して病巣が粘膜下層へまで浸潤したことを示した. 病巣はこの時期から急速に発育増大を示し, 周堤隆起と潰瘍を形成,約2か月で長径4.0cmのBorrmann III型の進行食道癌の像を示した. 病理組識学的にはmod.diff.gquamous cell ca. O_2 ly_1,U_1であった. 4.多数の微小病巣の経時的内視鏡と病理組織標本の連続切片による検討から粘膜上皮の基底層付近から始った癌化が,下方,上方あるいは側方へと発育,発育し, 極く初期には病巣は基底層付近にとどまり,表層に正常角化層をかぶる基底層型の上皮内癌の形態をとる. 肉眼上あるいは内視鏡観察上は表在平担型IIbである. 下方へ発育するものはびらん型IIcとなりさらに発育して潰瘍型III or Borrmann IIIとなり, 上方へ発育するものは粘膜上皮全層を置換して表在隆起型IIaとなり隆起型I or BorrmannI,II型へとなるものが多いようだ. 5.小病巣のDNAヒストグラムを検討し, ,基底層型の上皮内癌でも癌化した基底層付近は分散巾が増幅し, 進行癌のそれと同様のパターンを示した. 現在日本消化器外科学会誌に投稿中である. 6.各種細胞酵素化学的検討,albumin,免疫グロブリンの血管透過動態についても興味ある結果を得ている.
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Research Products
(1 results)